コンパスと地図だけを頼りに、食料も乏しい中で未知の世界を旅する。現実世界では考えたくもない状況ですが、ゲームの世界であるならば、こんな危険極まりないサバイバルもチャレンジ性の高さとして楽しめます。
『PUBG: BATTLEGROUNDS』の生みの親であるBrendan Greene氏が2021年に設立したスタジオPLAYERUNKNOWN Productionsでは、現在新作オープンワールドサバイバル『Prologue: Go Wayback!』を開発中です。ゲームは2025年夏のSteam早期アクセスでのリリースを計画していて、現在は複数回に渡ってプレイテストが実施されています。
同社の開発した機械学習による地形生成技術テストの技術デモとして開発されている本作は、プレイヤーが山の中を移動して気象観測所へとたどり着くのが目的。プレイのたびに変化する地形や環境を乗り越えるには、古い地図とツールの選択が重要です。

本稿では、3月に実施されたプレイテストビルドの『Prologue: Go Wayback!』のプレイレポートをお届けしていきます。
手に持つのはコンパス?電灯?リンゴ3個?
プレイヤーの目的は、スタート地点の山小屋から遠くにある気象観測所を目指すこと。最初の山小屋の内部は各プレイ共通で、中にはコンパスや地図、ファイヤースターター、ラジオ、ハンマーといったさまざまなツールが置かれています。
しかし、初期状態のプレイヤーは小さなバックパックのみで、全てのアイテムを持ち出すことができません。バックパック以外に4つのアイテムはクイックスロットに入れられるほか、インベントリ保存不可能ながらアイテムを手に持って運搬することはできるようです。



目的地である気象観測所まで何のアイテムを持っていくかという選択で大きく状況は変化していきます。ファイヤースターターがあれば小屋で暖を取れますし、コンパスと地図はどうしても必須のもの。双眼鏡、ラジオ、ハンマー、何もかもほしい……!
そしてゲーム内には飢えと渇きのステータスがあるため、食料の確保も欠かせません。最初の山小屋にはリンゴが3つあるので、こちらを持っていくのかというのも重要な選択となります。ゲーム内ではキャンプなどのシステムがまだないため、食料と水の確保はかなり難しい状況です。



こうして最低限のツールを選んでサバイバル生活がスタート。古い地図には最低限の施設は書かれていますが、果たして気象観測所までたどり着けるのでしょうか。


容赦ない地形を乗り越えろ
本作の最大の特徴であるランダム生成世界は、プレイごとに大きく周囲の地形や地形など、さまざまな環境が異なります。初期の山小屋と目的の気象観測所の場所も毎回変わりますが、基本的には対角線上の遠い場所を目指すと考えれば問題ありません。
プレイごとに天気も異なり、いきなり吹雪だったり、大雨だったりすることも。また、地形や山や森、川と色々なロケーションが用意されています。本作は飢えと渇きのほか体温の項目もあるので、厳しい気候や地形の中で無理な移動を行うと命に関わってしまいます。



ゲーム内で温度管理をするためには、小屋の中で衣服を見つけたり、暖炉を使って体を暖める必要があります。暖炉では紙を火種にして着火し、火を大きくして巻を燃やす必要があります。幸い薪は小屋を見つければほとんどセットなので、夜や寒波に備えて小屋を探すことは生き残るための最優先事項です。
現時点のビルドでは、ゲーム内で木を切ったり、川で水を汲んだりなどのアクションはできず、入手できるアイテムを使ってサバイバルすることが中心です。暖炉じゃなくても紙と薪があれば焚き火のようなものはできますが、インベントリが小さすぎる現在では現実的な選択肢ではありません。




また、すべての小屋は窓ガラスが割れているため、寒さを乗り越えるためには板で補修する必要もあります。板は小屋に備え付けられているので、ハンマーを使って打ち付けることができます。この時点で地図・コンパス・ファイヤースターター・ハンマーが欲しくなりますね。インベントリが足りない!



苦難の先に待つものは
ゲーム内で使用できる地図は生命線とも言えるもので、川などの“変わらないもの”を利用した探索で大いに力を発揮します。ただし、書かれているデータは古いもので、ときに地図にない家を見つけることも。野外サバイバル術を持たない主人公なので、凍死を防げる手段が多いのは嬉しいことです。
一方で困るのが食事問題で、どれだけ小屋を探しても何も見つからないことも珍しくありません。一応森に入ればキノコを拾えることもあるのですが、供給が安定しないし本当に食べていいのか不安にしかなりません(一応食中毒はないようです)。なお、現在は野生生物なども存在していません。



食事に関しては、クッキングポットに食材を入れることも可能です。ただし料理システム(というより鍋そのもの)に不安定な動作があるらしく、筆者は今のところ完成した料理を食べていません。缶詰のサーディンやナッツが小屋で見つかればそのまま食べている生活です。米もあるけど調理して食べたいなあ。

ほとんどゲームの説明がない状態で、ときには過酷すぎる地形と戦いながら、地図とコンパスを頼りに行動するのは素晴らしい魅力があります。ただし「技術でも作品の早期プレイテスト」ということもあり、現時点でのビルドでは、公式で公開されているウォークスルー以上のことはできない状態です。
また、現時点であまりにも動作が重すぎる(グラフィック設定である程度緩和可能)、アイテムが簡単に増える、ありえないランダム地形が発生する(スタート地点が岩山に埋まっていたり)など、多くのトラブルも体験しました。これらは公式に報告することで夏の早期アクセス版に反映されるのを望みたいところです。





『Prologue: Go Wayback!』のプレイテスト版では、ゲームの基本的なサバイバル項目を楽しみながら、本作のさまざまな特徴やゲームプレイの一部を体験できます。まだまだやれることは少ないですが、手探りで色々なアイテムの使い道を探し、地図とコンパスでゴールを目指す冒険はシンプルにやりごたえを感じます。
小屋に発電機があったり、川を泳ぐモーションがあったりする一方で、電気を使う場面がほぼない、川から浮上する操作がない(そもそも溺れない)など、ゲームとしてはまだ足りてない部分も多めです。今後も新機能の追加やサバイバルシステムの強化などを行っていくということなので、大いに期待したいところですね!
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