2025/04/09 屋上遊園地の記憶

保育園が終わる時間、迎えに来た祖父の自転車が

私を乗せたまま家に向かわず街中のバス発着所の方へ

坂を下っていくと、それだけでワクワクしたのを思い出す。

向かう先は長野市内にあったデパートの屋上遊園地。

月に1度か、2か月に1度くらいだったろうか。

田舎暮らしの私にとって最高のご褒美だった。

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きょうの「ゆうがたGet!every.」に登場した

昭和48年の長野丸光のモノクロ写真は、

遠い日の祖父の思い出が重なって見えた。

回る珈琲カップ、ミニゴーカート、スマートボール。

かつての屋上遊園地があったビルはすでになく、

今は老舗放送局の巨大なアンテナが街並みを見下ろしている。

2025/04/07 逢魔が時

「おうまがとき」と読むのだそうです。

日が暮れかかり、昼と夜が入れ替わる時間。

そんな時間帯には魔物が潜む、と昔の人は考えました。

人が神隠しにあったり、不慮の事故にあったり......。

英語でいうところの「トワイライトゾーン」です。

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交通事故の資料を紐解いていたら「魔の7歳、魔の16歳」という

言葉を見つけました。7歳=小学1年生、16歳=高校1年生。

年齢別でみた統計で「歩行中」「自転車乗車中」の事故が

それぞれ突出して多いのだそうです。

          ✽

小学1年は、親御さんの送り迎えの園生活を終え、

子供だけで登下校を始める年齢。

高校1年は、小中時代の身近な行動範囲を一気に広げて

何キロもの道程を自転車で通い始める時期。

ともに生活環境・交通環境が大きく変わる年齢です。

「私は自転車で片道8kmくらいを通ってました」

とは稲葉陽子アナの高校時代の体験談。

かくいう私も長野市から千曲市(当時は更埴市)の高校へ

市境を跨いだ越境通学をしていました。

          ✤

もうひとつの共通点は、事故の7割が登下校時に起きていること。

子供たちには、朝の登校も含め「逢魔が時」が潜む時間が

多いのだということを実感します。

さて、そろそろ日が暮れます。大人も気を付けないと。

     (きょうの『ゆうがたGet!every.』解説より)

 

 

2025/04/05 「松代人」冥利

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歴史好きな方は、再現された土塁の形と松の樹を見ただけで

この場所がどこだか分かるんだとか。

真田家の居城、長野市の松代城跡(通称・海津城)。

何を隠そう、私の生まれ育った町でもあります。

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その松代町でロケした映画『陽が落ちる』(柿崎ゆうじ監督)が

きのうから劇場公開されています。

映画の見どころを紹介した事前番組のナレーターを、

僭越ながら私がつとめているのですが(下・収録時の写真)

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TVerで配信中の番組再生数が、3月末で9000再生を超えました。

‟松代人"のひとりとして何とも嬉しい限りであります。

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ロケ地をあらためて訪ね歩く監督と俳優さんを

ナレーター兼ナビゲーターとしてご案内したのですが、

その皆さんの「松代愛」の深いこと。

地元民の私なんぞ足元にも及ばないほどで!

主演の竹島由夏さん、笹田優花さんの凛々しさと

柿崎監督の歴史への造詣が番組を引き締めて下さっています。

           ✤

🌤映画『陽が落ちる』:長野グランドシネマズ他で上映中

🌤番組『映画と歴史のまち 信州まつしろロケハン旅』はTVerで配信中

 どちらも是非!

2025/04/04 店の記憶、街の記憶

子供の頃、共働きだった両親がよく口にしていた。

「長く使うもの、イイものを買おうと思った時は、

 長野ならあの店とこの店。松本だったらこことそこ......」。

今週月曜で閉店した松本駅前の「井上本店」は、

そのうちの一軒であったと記憶する。

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所用で松本市内へ出かけたきのう、店舗前まで足を延ばしてみた。

シャッターが降り、人通りのほぼない舗道はやはり寂しかった。

           ◇

私は憶えていないのだが、公務員を定年退職した当時の母が

「昔、あなたを連れて松本までスーツを買いに行ったのよ」

と懐かしそうに話していた。

店が人の流れを作り、街の顔も作っていく。

その店がなくなることは、街の顔も同時に変わることを意味する。

母の記憶の中にある松本駅前は、どんな顔をしていたのだろう。

いつか訊いてみたい気がする。

2025/03/31 テッペンは春、平地は?

画面の中は一面の雪原、ではありますが、

それでも春の空気感がそこはかとなく伝わります。

きょうの『ゆうがたGet!every.』で放送した

恒例の登山企画「テッペンいただきます!」は、

早速TVerでの配信が始まっています。

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ナレーション収録中のワタクシも、春らしい軽装で(写真)。

が!この数日後に季節外れの寒の戻りに見舞われ、

放送当日のきょうまで身の縮む思いでこごえています。

週間予報を見れば、まだ数日先に雪のマークが。

テッペンも平地も、春はちと足踏みしているようであります。

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