八代地域農業協同組合(以下「JAやつしろ」という)は、熊本県八代市、氷川町を所管しており、県のやや南で八代海と九州山地との間に位置している。西側に、東西に流域を持つ球磨(くま)川と氷川(ひかわ)などからの土砂の堆積によりできた三角州を基部として、江戸時代初頭からの干拓により形成された平野部と、東側に九州山地の脊梁(せきりょう)地帯を形成する中山間部からなっている(図1)。 平野部では、水稲、いぐさ、野菜、花きなどの多彩な作物を生産しており、これらを組み合わせた複合経営や、施設野菜(トマト、ミニトマト、メロン、いちご)の専作経営が行われ、「はちべえトマト」で知られる冬春トマトは、日本一の産地となっている。近年は、ブロッコリーなどの露地野菜の作付面積が年々増加しており、また、飼料用稲は、農作業受託組織の活用により県下有数の作付面積となっている。中山間部では、立地条件を活かし、しょうが、晩(ばん