各都道府県の労働局が10月中旬から、域内の最低賃金の改定を始めた。今年度、全国平均の引き上げ幅は現行制度になった2002年以降では過去最大。そのうち、上げ幅が30円と最大だった東京都(821円)と2番目の29円だった神奈川県(818円)は、初めて800円の大台に乗せた。 民主党は昨年の衆議院議員選挙で「最低時給1000円」を盛り込んだマニフェスト(政権公約)を掲げて大勝を収めた。その流れから、今回の大幅な引き上げにつながっている。 格差が拡大する現状を考えれば、最低賃金の上昇は望ましいことだ。だが、最低賃金の急激な上昇は労働者の雇用削減にもつながりかねないとの懸念も残る。 「結果的に収入は減る」 最低賃金が669円から681円に引き上げられた山口県にあるコンビニエンスストアのオーナーは苦境に立たされている。この店では売り上げが落ち込む中での改定で、売上高人件費比率は6%から7%に上昇すると
