古典における「魔王と勇者」 仏教用語としての「魔王」は第六天魔王・波旬のことを指しており、この波旬というのはゲーム『真・女神転生』シリーズにインパクトのある姿で登場する「マーラ」という名でも有名である。釈迦の修行を邪魔するためにエロい美女を送り込んだとかいう「煩悩」の象徴みたいなヤツである。織田信長が「第六天魔王」を名乗ったエピソードも知られている。 14世紀に成立したとされる『太平記』には、 上座の金の鵄こそ崇徳院であられる。その側の大男は源為義の八男為朝。その左に座るのは、代々の帝王、淳仁天皇・井上皇后・後鳥羽院・後醍醐院で、それぞれ位を逐われて悪魔王の首領となられた、高貴な賢帝たちである。その次に座る、玄肪・真済・寛朝・慈慧・頼豪・仁海・尊雲などの高僧たちも、同じく大魔王となってここに集まり、天下を乱すための評議をしている。 太平記/巻第二十七 - Wikisource というような