今回は、真田信繁(幸村)の生き方から成功の本質を探ります。真田信繁は現役時代、誰からも武将として信頼されていませんでした。ところが今では、戦国の三英傑にも負けない人気があります。なぜか。信繁の最後となる戦い、大坂夏の陣で敗れはしましたが、その奮戦ぶりは多くの武将たちの目に焼きついたからです。不信と称賛のギャップには何があったのでしょうか。 父・昌幸(まさゆき)が死の床についていたとき、信繁は昌幸に「これから私はどうしたらいいのでしょうか?」と尋ねます。しかし昌幸は、何も答えてくれません。その様子を見て信繁は、昌幸の枕元で涙を流したといいます。 涙する息子に気づいた昌幸が、「なぜ泣いているのか」と問うと、信繁は、 「私が頼りないから、父上は戦術を授けてくれないのかと思うと、歯がゆくてたまらないからです」と答えたといいます。すると昌幸は「そうではない」と答えて、こう続けました。 「才能というこ
