巨人がひしめくIT（情報技術）業界で、SHIFTはのし上がってきた。華やかなサービスがあったわけではない。最先端技術を抱えていたわけでもない。誰にも顧みられることのなかった、テスト業務という「下流の仕事」を磨き上げた。埋もれた人材に光を当て、力を最大限に引き出す人的資本経営で市場…

4月14日号特集「SHIFTの革命」の読みどころを、担当した飯山辰之介記者が3分間で解説する。

野中郁次郎氏が影響を与えたのは大企業やスタートアップだけにとどまらない。その著書や理論は政治や農業など、様々な分野の第一人者を刺激する。それぞれの視点での、野中氏の理論の生かし方を聞いた。

防衛大学校時代に野中郁次郎氏の授業を受けた宮原社長。当時学んだケーススタディーから今もヒントを得る。学研で実践する現場主義にも教えが生きている。

新入社員を定着させるためには、スキルアップができる職場環境や孤独にさせない組織作りなどエンゲージメントを高める工夫が不可欠だ。中堅ゼネコンの三和建設は2018年に社員寮を設け、新入社員全員に入寮を義務付けた。同期同士の絆を深めることで、不慣れな現場での苦労を分かち合い、3年連続で…

野中郁次郎氏が提唱したSECIモデルの実践を支援するために創業した経営者がいる。スタートアップClipLineの高橋勇人氏は、デジタル技術を活用し飲食店の現場などで暗黙知を共有するサービスを生み出した。

「配属ガチャ」のミスマッチを防ぐため、内定者に初期配属の希望をヒアリングし適材適所を叶える企業が増えている。損害保険ジャパンは最初の配属先を公募で決める制度を始めた。さらに一歩踏み込み、仕事のキャリアだけでなくプライベートを含めた人生設計について丁寧に聞き取り、配属の最適解を見極…

野中郁次郎氏が提唱した理論を経営に生かす企業は少なくない。大手ゼネコンの清水建設は、自社のイノーベーション拠点の土台にSECIモデルを落とし込んだ。既存事業や組織を超えた発想を生み出すための仕組み作りを探った。

新人研修といえば従来は事業紹介やビジネスマナー講座などの受講にとどまり、すぐに本配属となるケースが多かった。しかし最近では新人育成を人的投資の中心に据え、実践的で密度の濃い研修を実施する企業が増えている。産業ガス大手のエア・ウォーターは新入社員全員を研修の一環で海外に派遣。新人研…

巨星落つ。今年1月、一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏が亡くなった。日本を代表し、海外でも広く知られる経営学者の野中氏。産学横断の取り組みは、日本の経営学で、共同研究の先駆けにもなった。旧日本軍の敗因を研究した共著の『失敗の本質』はロングセラーとなり、経営学者としての金字塔『知識創造…

野中郁次郎氏の理論を経営に取り入れる代表的な企業がエーザイだ。SECIモデルを実践する専門部署、知創部を立ち上げ全社で臨む。それが世界に先駆けたアルツハイマー病治療薬も生んだ。

野中郁次郎氏が影響を与えたのは大企業やスタートアップだけにとどまらない。その著書や理論は政治や農業など、様々な分野の第一人者を刺激する。それぞれの視点での、野中氏の理論の生かし方を聞いた。

長年、知識創造の在り方を突き詰めてきた野中郁次郎氏。日本を代表する経営者、柳井正氏も野中氏に共鳴した1人。日本企業は野中氏の教えをどう受け止め、生かすべきかを聞いた。