中国政府は、アメリカからの全ての輸入品にさらに50%の追加関税を課すと発表しました。トランプ大統領が中国に対し相互関税を課したことへの報復措置で、当初の34%と合わせて84%になります。

中国政府は9日、アメリカからの全ての輸入品にさらに50%の関税を課し、追加関税の税率を合計で84%に引き上げると発表しました。トランプ大統領が「相互関税」として上乗せした税率と同じ、50%を上乗せし、対抗した形です。日本時間10日午後1時1分から発動するとしています。

また、中国の商務省は、「アメリカの相互関税は国際貿易ルールに違反している」として、WTO=世界貿易機関に追加提訴したと発表しました。

ほかにも、台湾への軍事協力に関与したアメリカ企業6社を、制裁対象となる「信頼できない企業」のリストに加えるとしていて、今後、中国での輸出入や、中国国内での投資などが禁止されます。

中国商務省は9日、対米貿易に関して「アメリカが制限措置をさらにエスカレートさせることに固執するならば、中国も断固として対抗し徹底的に付き合う」とするコメントを発表。一方で、「対等な立場で協議を通じて適切に解決することが極めて重要だ」とも指摘しています。

アメリカと中国の間での関税引き上げ競争が激しさを増しており、先行きが見えない状況が続いています。