
ラミ・マレックが主演を務めるスパイ・スリラー映画「アマチュア」が、4月11日に日米同時公開された。同作は、殺しは“アマチュア”のCIA分析官チャーリー・ヘラー(ラミ)が、最愛の妻の命を奪った国際テロ組織にたった一人で挑む、無謀で予測不能な復讐(ふくしゅう)劇。「ボヘミアン・ラプソディ」(2018年)でド派手にアカデミー賞主演男優賞を受賞したラミが、スパイ映画史上最も地味な主人公を、そしてその妻サラ・ヘラーをレイチェル・ブロズナハンが演じている。このほど同作のプロモーションで来日した夫婦役の2人にインタビューを行い、キャラクターへのアプローチや共演した感想などを語ってもらった。
同作の主人公・チャーリーは、愛する妻・サラと平穏な日々を過ごすCIA分析官。しかし、ロンドン出張中のサラがテロリストによって命を奪われたことで、全てが変わる。「妻を殺した奴を見つけて、自らの手で裁きを下す」とサラを殺したテロリストたちへの復讐を決意し、チャーリーはCIAの上官・ヘンダーソン大佐(ローレンス・フィッシュバーン)に特殊スパイとしてのトレーニングを志願。チャーリーはCIAにすら予測不能な“彼ならではの方法”で、ヨーロッパ各地に潜むテロリストたちを追い詰めていくが、その裏には驚くべき陰謀が隠されていた――。
ラミ「キャラクターに心引かれました」
――自身が演じる役に対して、どんなアプローチをしましたか?
ラミ:まずはキャラクターに心引かれました。チャーリーは頭で考えるタイプで、すごく知的。クレバーであることを自分でも分かっているんです。でも、決して嫌味な感じではなく、それが彼自身の世界を形作っている。
演じる上で全てを理解しなくても、本質というかエッセンスのようなものを見つけることができたら、そこを足掛かりにキャラクターの全体像を作っていけるんじゃないかなと思いました。
レイチェル:脚本を読んだときに、サラは頭が良くて思慮深い人だなと感じました。ユーモアもあるし、いろいろな意味でチャーリーと補い合っていける女性です。
撮影をする中でラミと一緒に夫婦の関係を築いていく機会がありました。チャーリーの物語はもちろん、見ている方々が2人にどれだけ共感できるのかも必要なことだなと感じました。
――劇中では限られた尺ですが、2人の関係がとても良く分かるすてきなシーンになっていますね。
ラミ:レイチェルとは結構長い知り合いということで、人としてお互いに愛情を持っているんです。そして、役者としても尊敬し合っているので、仕事やチャリティーワークなどでいい関係を作っていきたいなと思っていました。今回の作品を見ていただいて、2人の関係性がキャラクターを通して届いていたのならとてもうれしいです。
レイチェル:お互いに信頼し合っているというのはとてもすてきなこと。特に今回は夫婦のシーンが短かったので、スクリーンを通して伝わっていたらいいなと思います。
ラミ:尺が短いからこそ、いかに共感力や思いやりのようなものを見ている人に感じてもらえるかが大切。レイチェルは、それを表現できる稀有な俳優です。
レイチェル「カットせざるを得ないのは大変だったと思います」
――本作で、ラミさんは製作総指揮も務めていらっしゃいますが大変だと感じたところはありますか?
ラミ:編集の段階で残念ながらカットしないといけないシーンがたくさんありました。役者の立場として「ここだ!」と手応えを感じた瞬間のシーンがカットされたという経験があるだけに、そのつらさはよく分かっています。
でも、若い頃は理解できなかったですけど、経験を重ねていくと自分の演技よりもストーリーが一番大事であるということが分かるようになってくるんです。作品によっては時間をかけてしっかり伝えるときもありますが、今回は正確無比にどんどん物語が前に進んでいく感じにしないといけなかった。そこのバランスが難しかったですね。
レイチェル:確かに私たちのシーンでも最終的にカットされた部分がありました。でも、映画の中に入っていなくても、その場面を演じたということはとてもいい経験になるんです。プロデューサーとしてどれを選ぶかということもラミにとっては大事な仕事。自分のシーンや思い入れのある場面をカットせざるを得ないということは大変だったと思います。
――そういえば、ラミさんは“スパイ映画の先輩”トム・クルーズさんから何かアドバイスをもらったとか?
ラミ:トムからは「武器のトレーニングはマストだ」と言われました。頭脳派のタイプでチャーリーは銃器を扱えなくていいキャラクターだから必要ないと思っていたんですけど、現場の安全のためにもしっかりとトレーニングしておくべきなんですよね。だから、アドバイス通りにトレーニングをして良かったなと思っています。
レイチェル:(銃器を扱う)トレーニングのおかげで足を撃ったりすることもなかったんでしょ?
ラミ:そうだね。結果的には「ありがとう、トム!」っていう感じですね(笑)。今回の作品はスパイ映画ではあるんですけど、僕らが憧れたアクションヒーローとは違うタイプのキャラクターが主人公なんです。
凡庸な生活を送っているチャーリーがものすごいことをやってのける物語が展開されます。100%比較することはできませんが、ヴィム・ヴェンダース監督の「PERFECT DAYS」に出てくる(役所広司が演じる)平山と、ちょっと似ているところがあるような気がします。
◆取材・文=小池貴之

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