アニメアンチ2号 さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:今観てる
赤毛のアンに勝つ!?ダークホース最有力候補
●鬼嫁踊る闘魂プロレス劇場
本作の物語本質は「バディコンプレックス」に求められるのでしょう。
一昔前のSF作品には自由度が許容されましたが、人類世紀の残り時間僅かな
昨今の状況下では遊びの要素は必然的に磨り潰されるのであります。
AI搭載型モデルのキャラとして優秀なのはドラえもんやアトムでありまして
更に言えば「攻殻機動隊」のタチコマはある意味最強のモデルであったのかもしれません。
{netabare}そういう意味では例えば「プラメモ」のアイラも優秀と言えば優秀なのですが
より現代的SF作品の基準に従うなら欠陥モデルの烙印を押されるわけであります。
ドラえもんやアトムでは合理性が不足しており、SFが想定している
近未来の実状とはかけ離れた存在となるのが必然的な運命でありました。
ドラえもんやアトムとは市場を開拓するための広報担当みたいな役割だったのでしょう。
しかしタチコマ以降は商品の性能、実用性が求められる時代となりました。
その一方で未だ近未来の価値基準を完全に受け入れたわけではないリアルタイムの人類は
日常生活における機能的パフォーマンスよりも人間的な充実感を求めるのでありました。
近年のSF作品の使命、あるいは本質とは「予測プログラミング」でありまして、
言うなれば新しい価値観の導入と刷り込みであります。
「攻殻2045」のプリンというキャラにはこのような思惑が働いていたようですが
思惑とは無縁の純粋攻殻ファンはプリンというキャラのゴリ推し展開に対して
拒絶反応にも似たリアクションを示すのであります。
人類は未だに自分の人生に人間的な充実感を求めます。
我らが政府が掲げる【ムーンショット計画(or目標)】は待ったなしの絶賛進行中
でありますから、今更かつての「ヒューマンライフ」がどうこういう声に耳を貸すわけもなく
ガンガン行こうぜと指令は下り、かくして「スーパーシティ」が舞い踊る状況になるのであります。
小難しい設定のごり押しはおまけみたいなもので、AI搭載型モデルとの
パートナーシップに全力注ぐことが本作に課せられた使命のようであります。
敢えて声優夫婦のキャスティングを仕込んだ理由もその辺にあるような気がいたします。
個人的には「プリンの惨状」の繰り返しの結果を見積もっていますが、
しかしながら恐らく本作は「バディコンプレックス」という面でこれでもかと
盛り上げてくることは必至でありますので、油断は禁物、AI搭載型風情の
人間演技力に刮目せよと言わざるを得ないでしょう。{/netabare}
事前予想の暫定評価にすぎませんが、もしかしたら?という期待が持てそうな作品であります。
SF系クライムサスペンスもの。
サイコパスや攻殻機動隊みたいなテイストが効いております。
(中の人が夫婦の)バディ捜査官の物語ということで
その辺も話題になっているようであります。
PVなんてものは大抵面白そうに見えるよう作っていますから
PV詐欺という可能性もありますが、SF作品というところで他とは一味違う
重みみたいな手応えを本作には感じるわけであります。
単純人気ですと「謎解きはディナーのあとで」や「赤毛のアン」に及ばないかもしれませんが
最終的には高評価の逆転勝利を達成してくれるのではないかと期待が持てそうな作品であります。