「世界最小の赤ちゃん」の成長の記録。わずか258グラムで生まれた男の子が、4月4日、小学校に入学した。「体育館で遊びたい、給食が楽しみ」と話し、新しく始まる学校生活に心を躍らせている。
真新しいランドセルを背負い
両親と手をつなぎ真新しいランドセルを背負って登校するのは、軽井沢町の関野竜佑ちゃん6歳。
4月4日は、小学校の入学式。
竜佑ちゃん:
「(Q.何を背負ってるの)ランドセル」

母・俊子さん:
「ランドセルは大きいですけど、よく似合っていて小学生になったんだなと実感しました」
父・康平さん:
「新たなコミュニティーでいろいろなことを学んでほしい」
体重258g 身長22cmで誕生
2018年10月、竜佑ちゃんは妊娠高血圧症候群による緊急帝王切開で、24週と5日で生まれた。
体重はわずか258グラム、身長は22センチ。大人の手のひらに乗るほどの大きさだった。

母・俊子さん(2019年):
「小さすぎて産声もなくて生まれたのかどうか自分で感覚がなくて無事かなと思うだけで不安でした」
父・康平さん(2019年):
「先生たちにお任せで、信用して待つしかないと思っていましたし、そこから先は、彼本人がこの世の中で生きたいか、生きたくないかという話かと思っていました」
命の危険も
命の危険もあったが、長野県立こども病院の治療とケア、竜佑ちゃん自身の生命力で少しずつ成長。
生まれて半年後に退院。

無事、退院できたケースでは、当時、世界最小の男の子だった。
定期健診やリハビリを受けながらも、すくすく成長。
身長は56.1センチ。体重は4400グラムに。

母・俊子さん(2019年):
「こんなに元気に1歳の誕生日を迎えられると思っていなくて普通に過ごせているので、それが一番幸せです」
*1歳 身長56.1cm 体重4.4kg
2歳ごろから言葉を話す
1歳10カ月で歩けるようになり2歳ごろからは言葉を話し始めた。
竜佑ちゃん:
「ママ、ママ」

*2歳 身長65cm 体重5.6kg
3歳になると自己主張も。

竜佑ちゃん:
「いやだ、いやだ」
*3歳 身長74cm 体重6.9kg
4歳で活発に外遊び
4歳のころは活発に外遊び。
父・康平さん(2022年):
「前だったら怖がってやらなかったようなことも、自分から率先してやるようになってきたので」

*4歳 身長82.6cm 体重8.5kg
5歳で自己紹介もできるようになった。
竜佑ちゃん(2023年):
「りゅうすけです」
父・康平さん(2023年):
「何歳ですか?」

竜佑ちゃん:
「(ジェスチャーで5歳)」
身長89.1センチ、体重は10キロを超えた。
6歳 会話にも成長
発声や発語の練習も頑張った。言語聴覚士の下で2歳の頃から言葉の練習を始めはっきり話せるように「構音訓練」に取り組んでいる。
6歳になるとその成果があらわれ、会話にも成長がみられるようになってきた。

竜佑ちゃん:
「(大きくなったら、何になりたい?)警察です、警察でーす!(なんで警察になりたいの?)だって逮捕する、パキューンって」
*6歳 身長94.2cm 体重11.7kg
「大きくなったら警察官になりたい」
2025年3月25日。
この日は、4年間通っていた保育園の卒園式。
竜佑ちゃん:
「大きくなったら警察官になりたいです」
みんなの前で大きな声で将来の夢を発表した。

家族が見守る中、堂々と入場する竜佑ちゃん。2歳から過ごした思い出の詰まった保育園を巣立った。
式が追わると、楽しそうに追いかけっこ。
たくさん友達もできた。

竜佑ちゃん:
「(卒園式はどうでした?)楽しかった。(卒園式でどんなことを頑張りましたか?)『大きくなったら警察官になりたいです』って言えた。(頑張って言った?)うん」
卒園式には兄2人も見守る
3月25日は4人きょうだいの兄2人もかけつけ、竜佑ちゃんの卒園を見届けた。
長男・佑平さん(18):
「いろいろなことをこの子に経験させてもらい、感謝しかない存在。小さいながらやれることは本当に増えたので、これからも成長を見たい」

次男・隼佑さん(10):
「(竜佑ちゃんは)ちゃんとしゃべれるようになったと思う。(勉強を)分かりやすく丁寧に教えたいと思う」
「算数がんばる」
竜佑ちゃん(6):
「(小学生でどんなこと頑張りたい?)勉強、算数」

2月末の時点で身長は97センチ、体重は12.5キロ。ほかの子に比べると小さいが、元気さは負けていない。
母・俊子さん:
「(保育園では)病気もしないでほとんど休まずにみんなと楽しそうにできて良かった。今までは保育園で遊ぶばかりでしたけど(小学校は)ちょっとだけ勉強してほしいなと。あと何かスポーツを始めてくれたらうれしいですね。小さいけど元気は負けないね、竜ちゃん」
父・康平さん:
「保育園より人数が多くなりますし、友達からの刺激も受けるからすくすく育ってほしい」

竜佑ちゃん(6):
「(お友達はどれくらいつくりたい?)100人!いっぱい、いっぱい!」
「給食が楽しみ!」
そして、迎えた小学校の入学式。
堂々と入場する竜佑ちゃん。
成長した姿を両親が見守った。

新入生全員で「1年生になったら」を合唱。
式が終わると、教室ではじめてのホームルーム。
先生が1人1人の名前を読み上げる。
担任:
「関野竜佑さん」
竜佑ちゃん:
「はい!」
手を挙げて大きな声で返事をした。

ホームルームが終わると、保育園からの友達と追いかけっこ。
竜佑ちゃんの友人:
「(竜佑ちゃんは)面白い」
「結構ご飯食べて大きくなるって感じ」
「かわいい、かっこいい」

竜佑ちゃん:
(Q.入学式どうだった)
「楽しかった」
(Q.小学校で何が楽しみ)
「体育館で遊ぶ、キャッチボールしたり、サッカーしたり。勉強とか、ご飯(給食)食べたり」

両親は竜佑ちゃんの今後の成長を楽しみにしている。
母・俊子さん:
「落ち着いて話も聞けていて後ろ姿が小学生でした。これからは勉強もスポーツも遊ぶことも全部、一生懸命やって成長してほしい」

父・康平さん:
「考えられない成長を遂げられている。つらいこともあるかと思うんですけど、楽しく乗り切ってくれればいいかなと思っています」
新たに始まる学校生活に竜佑ちゃんは、心を躍らせている。
(長野放送)