日本代表監督就任直後に笑顔で冗談をいい合うオシムさん(右)とゼムノビッチ氏 2026年サッカーW杯アジア最終予選C組で国際サッカー連盟(FIFA)ランキング15位の日本は20日、ホームで同81位のバーレーンに2―0で勝利。3試合を残して8大会連続8度目のW杯出場を決めた。元J1清水監督で海外サッカーに精通するズドラヴコ・ゼムノビッチ氏(70)はサンケイスポーツの取材に応じ、これまでの同予選を分析。世界一を目指すチームに必要なものを指摘した。
日本は8大会連続8度目のW杯出場を決めた。日本サッカーの成長の証であり、関わってきた人すべての成功といえるだろう。内容もよかった。前半は相手の守備に苦戦。攻撃は両サイドへのロングフィードで相手の裏を狙うことが多かったが、効果的ではなかった。ボールを持ってもテンポが悪く、余計なタッチ数で流れるような攻撃をみることはできなかった。後半は田中碧が入ったことでリズムが生まれた。そして久保建英が主役となり、試合を決めてくれた。先制のアシストもよかったが、2点目のゴールは素晴らしかった。技術の高さが光った。
アジアでは圧倒的な力を示した日本。目指すは世界一だが、W杯は一筋縄ではいかない。あのオシム監督でさえ、ストイコビッチらスター軍団を率いた1990年のW杯イタリア大会では失敗をした。1次リーグ初戦の西ドイツ戦で攻撃的なタレントを多く起用したが、1―4で大敗した。オシムさんはその理由を分析し、中盤で「水を運ぶ」選手がいなかったことを要因としてあげた。
家づくりでもそうだが、マイスター(親方=名手)だけでは素晴らしいものはつくれない。土台をつくる人、壁を築く人、屋根を覆う人など、さまざまな専門家がいて、それらとマイスターとの連係を円滑に進めるための役割を担う人も必要となる。オシムさんはそれを西ドイツ戦で学んだことで、日本代表になっても「水を運ぶ」選手を重用視し続けた。いまの日本は攻撃にマイスターが多いが、水を運べるものは少ない。遠藤航や守田英正の両ボランチもいいが、もっとダイナミックに攻守で動ける存在がほしいところだ。