■4月3日 「どうしました?」。初めての患者にお医者さんは決まってこう尋ねる。患者の体に何が起きているのか、いろんな可能性の中から判断材料を絞り込むための一種の〝医療用語〟でもあるらしい。確かに、いきなり「熱は?」「せきは?」では「はい」「いいえ」しか患者の答えは返らず総合的な判断はできない。
石破茂首相は先月31日、令和7年度予算の成立を受けて各会派にあいさつ回りした際、NHKから国民を守る党の立花孝志党首に対し頭の包帯を指さして「どうしました」と声をかけた。立花氏は先月13日、東京都内で街頭活動中に男にナタで襲われ頭部に全治1カ月の重傷を負った。
ニュースでも報じられ首相も当然知っていたと思うのが普通で、世間一般では「大変でしたね」が自然だ。「襲われました」と立花氏が答えると、「ああ、お大事に」の一言を添え記念撮影に応じて立ち去ったとか。立花氏は言った。「政党の代表者が政治的なテロで負傷しているにもかかわらず首相の『どうしました』は驚き以外ない」
〝2馬力選挙〟で昨秋の兵庫県知事選を大混乱させた立花氏は先月の千葉知事選も選挙活動は県外で。さらに、不倫問題で失職した大阪・岸和田市の前市長応援のため6日の市長選出馬も匂わせ結局とりやめた。奇抜な発想で世間を驚かせる立花氏を逆に驚かせたというのも特異な事象ではあった。
つまるところ問題の多すぎる立花氏とはあまり関わりたくなく、知っていながら知らない素振りの「どうしました」だったのでは…。後は問診なしでも判断はつく。それほどの〝名医〟なら「商品券配布」のように「自分を見失って」の過誤だけは勘弁してほしい。(今村忠)