お役所言葉(おやくしょことば)とは、日本の行政機関で用いられる公文書、法律、条例などに特有の表現スタイルで書かれた文章を批判的な意味で捉えたものである。下記の指摘のみならず、井上ひさしや三島由紀夫などの文学者からも、立場を超えて批判されている。 カナダ人著作家のイアン・アーシー(以下「アーシー」という)は自著『政・官・財(おえらがた)の日本語塾』(1996年 中央公論社刊、以下「本書」)の中で「整備文」という言葉を提唱した。「整備」をはじめとする限られた漢語や、一般にはあまり熟していない外来語や難読語・専門用語などを多用するため、堅苦しく抽象的でまわりくどい。そのため、一般庶民は読む気を失うことが多く、国民の政治的無関心を目的として使用されているのではないかとアーシーは疑っている。また、一般市民から上げ足を取られたくないという自治体職員の自衛本能、そして公文書は堅い文書であるべきだという意識から生まれたものだという指摘もある。 アーシーが「整備文」の概念に到達したのは、本書によれば「何々候」というかたちで「候(そうろう)」を繰り返す「候文」(江戸時代に多用された)からの類推であるとされる。 このような批判が多いため、一部の自治体では改善の動きがみられるようになった。

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  • お役所言葉(おやくしょことば)とは、日本の行政機関で用いられる公文書、法律、条例などに特有の表現スタイルで書かれた文章を批判的な意味で捉えたものである。下記の指摘のみならず、井上ひさしや三島由紀夫などの文学者からも、立場を超えて批判されている。 カナダ人著作家のイアン・アーシー(以下「アーシー」という)は自著『政・官・財(おえらがた)の日本語塾』(1996年 中央公論社刊、以下「本書」)の中で「整備文」という言葉を提唱した。「整備」をはじめとする限られた漢語や、一般にはあまり熟していない外来語や難読語・専門用語などを多用するため、堅苦しく抽象的でまわりくどい。そのため、一般庶民は読む気を失うことが多く、国民の政治的無関心を目的として使用されているのではないかとアーシーは疑っている。また、一般市民から上げ足を取られたくないという自治体職員の自衛本能、そして公文書は堅い文書であるべきだという意識から生まれたものだという指摘もある。 アーシーが「整備文」の概念に到達したのは、本書によれば「何々候」というかたちで「候(そうろう)」を繰り返す「候文」(江戸時代に多用された)からの類推であるとされる。 このような批判が多いため、一部の自治体では改善の動きがみられるようになった。 (ja)
  • お役所言葉(おやくしょことば)とは、日本の行政機関で用いられる公文書、法律、条例などに特有の表現スタイルで書かれた文章を批判的な意味で捉えたものである。下記の指摘のみならず、井上ひさしや三島由紀夫などの文学者からも、立場を超えて批判されている。 カナダ人著作家のイアン・アーシー(以下「アーシー」という)は自著『政・官・財(おえらがた)の日本語塾』(1996年 中央公論社刊、以下「本書」)の中で「整備文」という言葉を提唱した。「整備」をはじめとする限られた漢語や、一般にはあまり熟していない外来語や難読語・専門用語などを多用するため、堅苦しく抽象的でまわりくどい。そのため、一般庶民は読む気を失うことが多く、国民の政治的無関心を目的として使用されているのではないかとアーシーは疑っている。また、一般市民から上げ足を取られたくないという自治体職員の自衛本能、そして公文書は堅い文書であるべきだという意識から生まれたものだという指摘もある。 アーシーが「整備文」の概念に到達したのは、本書によれば「何々候」というかたちで「候(そうろう)」を繰り返す「候文」(江戸時代に多用された)からの類推であるとされる。 このような批判が多いため、一部の自治体では改善の動きがみられるようになった。 (ja)
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  • お役所言葉(おやくしょことば)とは、日本の行政機関で用いられる公文書、法律、条例などに特有の表現スタイルで書かれた文章を批判的な意味で捉えたものである。下記の指摘のみならず、井上ひさしや三島由紀夫などの文学者からも、立場を超えて批判されている。 カナダ人著作家のイアン・アーシー(以下「アーシー」という)は自著『政・官・財(おえらがた)の日本語塾』(1996年 中央公論社刊、以下「本書」)の中で「整備文」という言葉を提唱した。「整備」をはじめとする限られた漢語や、一般にはあまり熟していない外来語や難読語・専門用語などを多用するため、堅苦しく抽象的でまわりくどい。そのため、一般庶民は読む気を失うことが多く、国民の政治的無関心を目的として使用されているのではないかとアーシーは疑っている。また、一般市民から上げ足を取られたくないという自治体職員の自衛本能、そして公文書は堅い文書であるべきだという意識から生まれたものだという指摘もある。 アーシーが「整備文」の概念に到達したのは、本書によれば「何々候」というかたちで「候(そうろう)」を繰り返す「候文」(江戸時代に多用された)からの類推であるとされる。 このような批判が多いため、一部の自治体では改善の動きがみられるようになった。 (ja)
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  • お役所言葉 (ja)
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