プロレスにおけるヒール(Heel)は、プロレス興行のギミック上、悪役を務めて、観客や視聴者を怒らせる立場のプロレスラーのこと。悪役、悪玉、悪党派などとも呼ばれる。昨今ではヒールかベビーフェイスかの区別がつき辛い者も存在する。ヒールの対義語としては、善玉、正統派を意味するベビーフェイス(Babyface)が存在する。擬似的なモノだが、現実と区別がつかない人によって、ヒール役がリング外で犯罪被害や嫌がらせ、誹謗中傷、死傷の目にあうことがある。 通常、ヒールは反則を多用したラフファイトを展開する。金的への攻撃、凶器の使用といった反則はもちろん、レフェリーへの暴行、挑発行為、観客席での場外乱闘、果ては他者の試合への乱入なども行う(ただし、何を行うかは選手毎に様々である。ヒールは、元々はアメリカのプロレス業界で用いられていたスラングである。日本では元々「悪玉」「善玉」という日本語の表現が用いられていたが、現在では日本のプロレス業界でも一般的な単語になっており、プロレス以外のスポーツや一般社会や創作物の中でも、敵役的なイメージの人物をヒールと呼ぶことがある。メキシコにおけるルチャリブレでは、ヒールのことを「ルード」、ベビーフェイスを「リンピオ」あるいは「テクニコ」と呼ぶ(いずれも男性形。女性ではルードはルーダと呼ばれる)。