司空(しくう)は、中国の官名の一つ。金文では司工と作る。 司空は『周礼』に記された六官の一つであり、『漢書』の注には水と罪人を主る(つかさどる) とされる。刑徒(囚人)の管理(治獄)と治水や各種土木工事(作事)を掌った。当時は官の工事は刑徒を動員して行われることがあり両者の職掌は密接に関係していた。戦国時代から漢代の文献や出土史料からは「都司空」「次司空」(『墨子』)・「国司空」(『商君書』)・「県司空」「邦司空」(『秦律雑抄』)・「中司空」「郡司空」「宮司空」「県司空」(『二年律令』)・「獄司空」(『』)などの存在が記されており、地方の役所にも司空が設置されていたことが知られている。 だが、前漢後期以後、治獄と作事の役割が分離するようになると、各地にあった「司空」の名称は次第に用いられなくなり、後漢に入るともっぱら三公の一つとしてその名称が用いられることになった。御史大夫を大司空に改称した際にも当初は司空に改称しようとして後から獄司空の存在を指摘されてこれと区別するために「大」を覆加したという逸話 が残されている。

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  • 司空(しくう)は、中国の官名の一つ。金文では司工と作る。 司空は『周礼』に記された六官の一つであり、『漢書』の注には水と罪人を主る(つかさどる) とされる。刑徒(囚人)の管理(治獄)と治水や各種土木工事(作事)を掌った。当時は官の工事は刑徒を動員して行われることがあり両者の職掌は密接に関係していた。戦国時代から漢代の文献や出土史料からは「都司空」「次司空」(『墨子』)・「国司空」(『商君書』)・「県司空」「邦司空」(『秦律雑抄』)・「中司空」「郡司空」「宮司空」「県司空」(『二年律令』)・「獄司空」(『』)などの存在が記されており、地方の役所にも司空が設置されていたことが知られている。 だが、前漢後期以後、治獄と作事の役割が分離するようになると、各地にあった「司空」の名称は次第に用いられなくなり、後漢に入るともっぱら三公の一つとしてその名称が用いられることになった。御史大夫を大司空に改称した際にも当初は司空に改称しようとして後から獄司空の存在を指摘されてこれと区別するために「大」を覆加したという逸話 が残されている。 (ja)
  • 司空(しくう)は、中国の官名の一つ。金文では司工と作る。 司空は『周礼』に記された六官の一つであり、『漢書』の注には水と罪人を主る(つかさどる) とされる。刑徒(囚人)の管理(治獄)と治水や各種土木工事(作事)を掌った。当時は官の工事は刑徒を動員して行われることがあり両者の職掌は密接に関係していた。戦国時代から漢代の文献や出土史料からは「都司空」「次司空」(『墨子』)・「国司空」(『商君書』)・「県司空」「邦司空」(『秦律雑抄』)・「中司空」「郡司空」「宮司空」「県司空」(『二年律令』)・「獄司空」(『』)などの存在が記されており、地方の役所にも司空が設置されていたことが知られている。 だが、前漢後期以後、治獄と作事の役割が分離するようになると、各地にあった「司空」の名称は次第に用いられなくなり、後漢に入るともっぱら三公の一つとしてその名称が用いられることになった。御史大夫を大司空に改称した際にも当初は司空に改称しようとして後から獄司空の存在を指摘されてこれと区別するために「大」を覆加したという逸話 が残されている。 (ja)
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  • 司空(しくう)は、中国の官名の一つ。金文では司工と作る。 司空は『周礼』に記された六官の一つであり、『漢書』の注には水と罪人を主る(つかさどる) とされる。刑徒(囚人)の管理(治獄)と治水や各種土木工事(作事)を掌った。当時は官の工事は刑徒を動員して行われることがあり両者の職掌は密接に関係していた。戦国時代から漢代の文献や出土史料からは「都司空」「次司空」(『墨子』)・「国司空」(『商君書』)・「県司空」「邦司空」(『秦律雑抄』)・「中司空」「郡司空」「宮司空」「県司空」(『二年律令』)・「獄司空」(『』)などの存在が記されており、地方の役所にも司空が設置されていたことが知られている。 だが、前漢後期以後、治獄と作事の役割が分離するようになると、各地にあった「司空」の名称は次第に用いられなくなり、後漢に入るともっぱら三公の一つとしてその名称が用いられることになった。御史大夫を大司空に改称した際にも当初は司空に改称しようとして後から獄司空の存在を指摘されてこれと区別するために「大」を覆加したという逸話 が残されている。 (ja)
  • 司空(しくう)は、中国の官名の一つ。金文では司工と作る。 司空は『周礼』に記された六官の一つであり、『漢書』の注には水と罪人を主る(つかさどる) とされる。刑徒(囚人)の管理(治獄)と治水や各種土木工事(作事)を掌った。当時は官の工事は刑徒を動員して行われることがあり両者の職掌は密接に関係していた。戦国時代から漢代の文献や出土史料からは「都司空」「次司空」(『墨子』)・「国司空」(『商君書』)・「県司空」「邦司空」(『秦律雑抄』)・「中司空」「郡司空」「宮司空」「県司空」(『二年律令』)・「獄司空」(『』)などの存在が記されており、地方の役所にも司空が設置されていたことが知られている。 だが、前漢後期以後、治獄と作事の役割が分離するようになると、各地にあった「司空」の名称は次第に用いられなくなり、後漢に入るともっぱら三公の一つとしてその名称が用いられることになった。御史大夫を大司空に改称した際にも当初は司空に改称しようとして後から獄司空の存在を指摘されてこれと区別するために「大」を覆加したという逸話 が残されている。 (ja)
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  • 司空 (ja)
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