『愛撫』(あいぶ)は、梶井基次郎の短編小説(掌編小説)。飼い猫と遊び戯れる中で浮んでくる空想を題材にした随筆的な作品。猫の耳を切符切りのようにパチンとする空想や、爪を全部切ったらどうなるかなど、いたずら心で書いた小品ながらも、そこに流れる温かみや気品を高評価された軽妙な短編である。『ある崖上の感情』『櫻の樹の下には』の擱筆以来、約2年の沈黙の後に発表され、新たな活路が見られた作品でもある。