『成城だより』(せいじょうだより)は、大岡昇平による日記文学・エッセイである。初出は「文学界」1980年1月号で、それから2度の中断をはさんで1986年2月号まで連載された。1979年11月8日から1985年12月13日(大岡70歳から76歳まで)の日々の思想と行動を書き綴ったもので、文学を始め、基礎数学やフェミニズム、映画や少女漫画など幅広い分野の話題を取り上げ、同時に当時の世相やできごとに対する皮肉や批判などを交えている。この作品は好評で迎えられ、「署名入り匿名批評」、「『断腸亭日乗』とはまた別の趣きをもつ日記」、「知的刺激と人間味溢れる好エッセイ」などと話題を呼んだ。