日本主義(にほんしゅぎ)は、明治中期において明治政府の極端な欧化主義に対する反動として起こり、日本古来の伝統的な精神を重視しこれを国家・社会の基調としようとした国家主義思想である。三宅雪嶺や高山樗牛、井上哲次郎、井上円了らによって提唱された。 明治から第二次世界大戦敗戦における欧化主義・民主主義・社会主義に反対しながら、日本古来の伝統や国粋を擁護しようとした思想、運動である。思想的には一定の体系を成しておらず、その内容は論者によって相違するが、政治的には欧米協調主義への反対と国権・対外強硬策の強調を主張する。大正・昭和になると資本主義の高度化に伴って階級対立が激しくなり社会主義やマルクス主義が国内に流入するようになると、日本主義はこれらの思想に対抗するイデオロギーとして機能し、天皇を中心とする皇道や国体思想を強調させた。