「神は死んだ」(かみはしんだ、独: Gott ist tot, 英: God is dead)または「神の死」(かみのし、英: the Death of God)とは、宗教批判と虚無主義(ニヒリズム)を意味する哲学者フリードリヒ・ニーチェの用語であり、一種の科学的精神(啓蒙的・実証的・合理的精神)であると言われる。ニーチェは「神々の死」とも述べている。近代化・産業化・科学化の中で、ニーチェは宗教的・哲学的観念の滅亡を宣言した。言い換えれば彼は、近代的な「個人」に基づいて世界観を脱神話化した。 ニーチェの批判は、医療科学・自然科学や生物学から大きく影響を受けたと考えられている。ニーチェによれば、神・霊・魂といった虚構によって、栄養・健康・住居といった人生の重大事が軽んじられてきた。神が死んだ(そして神を冒涜することも出来なくなった)からには、最大の問題は地上やからだを冒涜することである。ここでニーチェは、「超人」とは地上的・身体的な人間であると述べている。一方で、超地上的・超自然的な事柄や魂といったものは、不健康な嘘だとしている。