賢所乗御車(かしこどころじょうぎょしゃ)は、日本国有鉄道の前身である鉄道院が、神鏡(八咫鏡)を輸送(移御)するため、1915年(大正4年)に製造した鉄道車両(皇室用客車)である。 大正天皇の即位式(即位御大礼)の際に、東京の皇居と京都御所の間を、宮中三殿の賢所に祀られている神鏡を輸送するために製造された特殊用途の客車で、賢所奉安車(かしこどころほうあんしゃ)とも呼ばれる。略して賢車と称されることもあった。「神」を輸送の対象とする鉄道車両は世界的にも類例がないと思われ、その意味でも極めて珍しい車両である。