銀貨30枚(ぎんか30まい、英語:Thirty pieces of silver)とは、新約聖書に登場する象徴的な器物の1つ。マタイによる福音書26:15によれば、イスカリオテのユダはイエス・キリストを裏切った代価として銀貨30枚を得たという。最後の晩餐の前に、ユダは祭司長のところに行って銀貨30枚と引き換えにイエスを引き渡すことに同意したが、後に後悔の念に苛まれてそれを返そうとしたとされる。 マタイによる福音書は、ユダが返した銀貨30枚でエルサレムの祭司達がポッターズ・フィールドを購入したことは、イエスがゼカリヤの予言を成就させたものだ、としている。 イエス・キリストの受難を描く絵画には銀貨30枚がよく取り上げられる。また、キリスト教圏の文学作品や演説などでは、私利私欲のために他人を「売り渡し」、信頼、友情または忠誠を損なう人物を指す語として銀貨30枚(Thirty pieces of silver)という言い回しが使われる。