普段は「X」で済ませて、滅多にブログで追悼のコメントを出すことはないのだが、この訃報は響いた。
今も正直気持ちの整理がついてない。
彼女の存在はそこまで大きかったのか。
自分でもビックリしている。
拙作『かんなぎ』の主題歌「motto☆派手にね!」は彼女のヒット曲「派手!!!」を参考曲として作られており、タイトルも最初は「地味!!!」だったのだがさすがに戸松遥のマネージャーから「地味ってのはちょっと……」と待ったがかかり、今のタイトルになった、という話はどこかでしたと思う。
しかしそもそも、『かんなぎ』自体が彼女主演のドラマ『ママはアイドル!』をパクいや参考にさせてもらっている。
DVDBOXを買ってスタジオに置き、「一話でもいいから観ておくように!」と厳命したのを覚えている。
作品内容としては中山美穂が本人役で、小学校時代の先生と結婚し、子供三人が住む家に押しかけてくる(もちろんフィクション)、という、『かんなぎ』とは似ているようで実はあまり似ていない。
しかしそこかしこにある80年代テイスト、特に当時のミポリンが得意としていたちょいエロ路線がおおいに参考になった。
斉藤由貴、本田美奈子、南野陽子など、同期には伝説級のアイドルがひしめく中、彼女には特別な思い入れがあった。なぜだろう?
しかしながら、よくよく考えると、彼女は歌手として、残念ながら超一流の実力はなかった。
演技力も然りだ。
ヒット曲も数多くあり、映画の女優賞も獲っている。しかし、実力としては何か足りないものがあった。
それを補ったのは何か?
そんなことをものともしない、もう「オーラ」としか言えない圧倒的な存在感、としか言いようがない。
まさに彼女がアイドルそのもの、アイドルの理想形、「ジ・アイドル」だったのだ。
アイドルとして本当の輝きを放ったひとり、それが中山美穂という存在だった。
80年代アイドルが今50代・アラ還となり、円熟の色香を醸し出している中、54歳で急逝したのは余りに惜しい。
僕と同じような気持ち、感想でSNSが埋め尽くされているのも無理はない。
最後だが、やっぱり違法覚悟でこの動画を貼っておく。
謹んでご冥福をお祈りいたします。