【若干のネタバレあり】
待ちに待ったトップガンの続編、トップガンマーヴェリックを鑑賞。
思い返せば、トム・クルーズがトップガンの続編を撮ることになっていると発言したのが2018年…。
その言葉が世界を駆け巡った時、冗談抜きで「観るまで死にたくないな」って思ったのよね、私。
まさか、その後に世界的なコロナ渦に突入して、本気で死を意識するような日々が訪れるとは夢にも思わなかったけど。
その時も、せめてトップガンの続編だけは観たい…と願ったっけ。
本来であれば2019年に公開予定だったところ、監督がよりリアルなスカイアクションを撮影したいと2020年に公開を延期して、2020年6月に公開が決定したものの…
前述したコロナの影響で、2021年の11月に再び延期。
しかし、11月にも世界的にはコロナが収束せず、結果、今年2022年の5月ずれ込んだいう形に。
(日本は11月ごろ落ち着いてたけど)
トップガンの一作目が1986年公開だから、実に36年越しの続編。
いや、待ったよ…。
トム・クルーズが下手な続編を作らせないために権利を買い取ってると知った日からだから…本当に待った。
延期になるたびに残念には思ったけど、それ以上に、権利を買い取るほどトップガンへの思い入れのあるトム・クルーズが納得する作品が出来上がるなら、と私は苦ではなかったな。
そして、実は公開延期で思わぬ副産物が。
前作で、マーヴェリックは亡き父の遺品でもあるジャケット(G-1)を愛用していて、そのジャケットの背中にはアメリカ国旗と国連旗と共に、日の丸と台湾の国旗がデザインされたワッペンがついていた…はずが。
2019年に公開された予告編やポスターでは、日本と台湾の国旗が消えてしまっていたんですよね…。
なぜかと言うと、中国のIT企業が出資していたこともあって、日本風に言うところの《忖度》ってやつなんでしょうね。
この事実が知れ渡るとネットでは波紋を呼び、中には「トップガンの続編観ない!」なんて書き込みも結構あったけど、個人的には「まぁ大人の事情ってやつよね。。。仕方ないよ。」と思ってたり。
なぜなら「たとえ日の丸が消えてたとしても、私は続編が見たい!!」って気持ちの方が強かったから。
ところが、2019年の後半に、中国のIT企業が手を引いたことで、オリジナル版に戻るというミラクルが。
「国旗がどうだろうと、トップガンという作品の面白さに違いはなんだから」と思っていたはずなのに、やっぱり、あの大画面で日の丸見ると、トム・クルーズが背中にしょってくれてるの見ると、無条件に嬉しくなっちゃう不思議。
台湾では、そのシーンで歓声が上がったとか、拍手が起こったとか聞くと、気持ちはよくわかるぞ同志よ…と思う。
私も心の中では歓声を上げてたよ(笑)
そして、今作で何より特筆したいのがオープニング。
映画が始まった瞬間…。
本編より前のまだ配給会社のロゴしかでてない画面の後ろでさ、BGMが流れるんだよね。
その最初の数音で「はっ!」って息をのみました。
トップガンを観てきた人なら耳馴染みがあるあの曲が流れてる…。
そう、Top Gun Anthem(トップガンアンセム)。
そしてこの曲にのせながら、配給会社のロゴからトップガンの世界へと切り替わっていく…。
しかも、切り替わったトップガンの世界では、私が好きな空母の滑走路で働く男たちの姿を映し出されるんだよ。
航空機の整備士とか。
航空機誘導員とか。
管制塔から視える景色とか。
何より格好いいのが、手信号で航空機を誘導する姿。
戦闘機に乗り込んだパイロットたちを空へと送り出す離陸の風景は、前作と変わらず私の心を鷲掴みにしていきました。
そしてそこからの…Danger Zone(デンジャーゾーン)!
正直、このオープニングだけで泣いたよね。
なぜかわからないけど、体の奥の方から何かがこみあげてきて、気が付いたら結構な量の涙がこぼれてた。
完全なる前作のオープニングの再現!!
嬉しいのと懐かしいのと、ついに続編を観てるって感動と…
「続編を観るまで死にたくないな」って思ってたから、「生きててよかった」みたいな気持ちもあったかもしれない。
何より、このオープニングだけで前作への愛とリスペクトをビシバシ感じた。
前作の監督、トニー・スコット氏は、すでに永眠されているので、監督が変わった続編であの世界観そのままにって、結構な難しさがあると思うんだよね。
でも、それをやってのけたコシンスキー監督に敬意を表したい。
そして36年間トップガンという作品を守り続けてきたトム・クルーズに感謝を。
あのオープニングだけで、続編を観るっていう変な緊張感と不安は消し飛びました。
それくらい素晴らしいオープニングだったな。
でも、このオープニング、実はある段階まで、別のパターンがあったそうで。
それは、マーヴェリックが海に向かって立っていて、そこで彼がこう言うんだそうです。
“Talk to me, Goose(教えてくれ、グース)”って。
このセリフも1作目へのオマージュですね。
トップガン卒業式後に出動した任務中、窮地に陥ったマーヴェリックは、亡きグースのドッグタグを握りしめ、「Talk to me, Goose」とささやくなんてシーンがありました。
でも、最終的には、暗すぎやしないか、ちょっと分かりにくいんじゃないかという理由でお蔵入りになったみたいです。
個人的に採用されたオープニングで大正解だったと思う。
前作トップガンファンには、ぜひ劇場でその感動を味わってもらいたい。
完璧な続編だった。
そして完璧な完結だった。
たぶんだけど。
映画の中で「ラストフライト」って言ってたのがすごく印象に残ってて、トム・クルーズ自身もマーヴェリックとしてラストフライトの気持ちでこの作品を作った気がして。
だから、完璧な完結だったと書かせてもらう。