このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 慶應義塾大学と東京大学に所属する研究者らが発表した論文「Necomimi Illusion: アバターの猫耳と連動する毛髪を通じた触覚フィードバックによる所有感生成」は、髪の毛を介した触覚フィードバック装置とアバターの猫耳を連動させることで、人間が持ち得ない猫耳に対する身体所有感が得られるのかを調査した研究報告だ。 バーチャルリアリティー(VR)プラットフォームにおいて、動物の耳をモチーフとしたアバターが広く利用されている。特に「獣耳」(けもみみ)と呼ばれる動物の耳を持った人型キャラクターは人気が高く、ソーシャルVRプラットフォームの調査によれば、最も
