駒場寮とか吉田寮とか、旧帝大系の自治寮というのは、部屋に勝手に人が入ってきたりしていた。全然知らない人が自分の布団に寝ていたりした。 ふつうのアパートでそういうことがあるのかどうか知らないが、ぼくが大学で学生運動をやっていたときは、個人宅がたまり場のようになっていて、同じようなことが起きていた。おちおちマスターベーションもできないのである。 こういう空間があるマンガと言えば、真っ先に思い浮かぶのは『めぞん一刻』である。主人公の五代の部屋で毎日のように酒盛りがされて、万年床にみんな入っているという光景は、まぎれもなく80年代の学生下宿の風景であろう。当時の独身社会人のアパートがどうなっていたのかはよく知らんが。 現代のアパートマンガといえば、たとえば宮原るり『僕らはみんな河合荘』などが思い出されるけども、個々の部屋のプライバシーが前提になっているよね。いや、主人公の宇佐と、城崎はアコーディオ
