東京都青梅市を代表する観光名所の吉川英治記念館が、入館者の落ち込みなどで閉館の危機に陥っていることが11日、分かった。記念館を運営する公益財団法人「吉川英治国民文化振興会」が、市に対し記念館の寄付を申し入れた。市は今年度中に、市議会にはかった上で寄付の受け入れの可否について結論を出す方針だが、受け入れられない場合、財団は記念館の閉館を予定しているという。【熊谷泰】 同館は1977(昭和52)年に開館し、今年で開館40年を迎えた。「宮本武蔵」「私本太平記」など多くの読者に愛された国民文学作家の英治が、終戦前後に執筆に励んだ同市柚木町の旧邸を記念館にした。敷地面積は約5100平方メートル。蔵書などを含め約2万点の資料を収蔵している。毎年、命日の9月7日に「英治忌」を開き、養蚕農家の屋敷だった母屋などを公開している。
