佐賀を舞台にした映画『ら・かんぱねら』で伊原剛志と夫婦役を演じ、舞台挨拶では「可愛すぎる」と話題になった南果歩(61)。
南は1964年1月20日生まれ、兵庫県尼崎市出身。大学進学で上京し、桐朋学園短大に在学中だった20歳の時に映画『伽倻子のために』のヒロイン役オーディションで2200人の中から抜擢され芸能界デビューした。
南が同映画の監督、小栗康平の『泥の河』(81年)を観た後にオーディションの公募を見つけ「運命だ! これをやるために生まれてきた!!」と思ったのがオーディションを受けたきっかけだという。
桐朋学園は芸能活動を禁止していたが、南の映画主演デビューが決まってしまい、規約を改正することになった。
デビュー後は順調に仕事を増やし、昼の帯ドラマ『五度半さん』(TBS)で主演。『翔ぶが如く』で26歳にして大河ドラマに初出演し、31歳の時には映画『ルビーフルーツ』で大胆な濡れ場にも挑戦し、新境地を開拓する。
突然唇を奪われ、やがて自分から相手の体を激しく求め…
『ルビーフルーツ』は当時としては異色の、同性愛を描いた作品で、南は恋人を亡くして傷心旅行で訪れたバリ島で、有村つぐみ演じる神秘的な女性と禁断の愛に陥る女流彫刻家役。
南国特有の激しいスコールの中で、有村に突然唇を奪われ、動揺しつつも己の肉体を差し出す。
純白のシーツにくるまった状態で、南は有村のキスから始まる濃厚な愛撫を受ける。露出こそ少ないが新しい快感に目覚め、やがては自分から相手の体を激しく求める妖艶なラブシーンは大きな反響を呼んだ。
その翌年、南は31歳で作家・ミュージシャンの辻仁成と結婚を発表。当時の南は「結婚願望がまったくなかった」というが、辻は会うたびに必ず花束を渡すなど熱烈なアプローチを続け、プロポーズも最終的には素直に受け入れたという。