「温泉ワーケーション」で仕事しながらひとリート。おすすめ宿5選!【温泉ライター・高橋一喜さんセレクト】

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これまでに3900を超える温泉に入浴し、ひとりで行く“ソロ温泉”と温泉地でのワーケーションを好む温泉ライター・高橋一喜さん。今回はひとリートにもぴったりの、【ワーケーションにおすすめの温泉地】5選を教えていただきました!
※宿泊の金額は取材時のものです。

「ひとリート」とは…
半日~日帰り・1泊2日程度の「一人で楽しむリトリート体験や旅」を表す造語。yoi発の、心と体のセルフケアに役立つ時間の使い方です。

高橋一喜

温泉ライター・編集者

高橋一喜

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界(紅葉温泉の世界)』のほか、『ホンマでっか⁉︎TV』『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『どさんこワイド179』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

【和歌山】南紀白浜温泉『SHIRAHAMA KEY TERRACE SEAMORE RESIDENCE』

ひとリート 白浜温泉 KEYTERRACE

立ったまま入浴する「三段の湯」

温泉、宿泊、食事、お買い物、サウナにプールにリラクゼーションやウエディングまで、白浜温泉の魅力をギュッと詰め込んだ施設『シラハマキーテラス』。別館である『シラハマキーテラス シーモアレジデンス』は素泊まり可能な滞在型宿泊施設となっているため、ワーケーションにぴったり! もちろん本館『ホテルシーモア』内の施設も利用可能です。

本館『ホテルシーモア』にある露天風呂「三段の湯」は深さ120cmの立ち湯になっており、目の前に広がる海と一体になるような感覚を味わえます。立ち湯は、体に負担のかかりにくい入浴法としても人気だそう。

ひとリート ワーケーション 白浜キーテラス

ワークスペースも充実

お部屋にもデスクがありますが、本館にはパソコン、プリンター、Wi-Fiも完備したビジネスルームや会議室もあるのでより仕事に集中できそう。海へと続くようなインフィニティ足湯があるテラスや、毎朝焼きたてのパンと挽きたてのコーヒーを提供するベーカリー『TETTI BAKERY & CAFE』も本館にあるので、連泊でも飽きることなく楽しめるはず。

高橋さん的おすすめポイント

白浜温泉は、自治体が積極的にワーケーションを打ち出してきた温泉地。だからワーケーション向けのプランや設備を用意している宿もあって、温泉ワーケーションをしたい人には便利な温泉地です。以前は新婚旅行で訪れるようなスポットだったこともあり、風光明媚な海岸の景色や、白く美しい砂浜など観光地としても見所が多いエリアです。そのため観光やリゾートのイメージが強いですが、もともと歴史の長い温泉地でもあるので、温泉地全体としてお湯のレベルが高い! 

特に宿から徒歩圏内にある絶景露天風呂「崎の湯」は、一度は入る価値のある名湯です。ワーケーションだと連泊することが多いので、宿は素泊まりにして、ご飯は外に食べに行く、という方法もおすすめ。街に飲食店が多く、自由に旅をデザインできるのが魅力です。

シラハマキーテラス シーモアレジデンス
◆和歌山県西牟婁郡白浜町1821
素泊まり ¥8075〜
https://seamore-residence.com/

【山形】肘折温泉『大友屋旅館』

山形県の肘折温泉は、1200年以上の歴史を持つ温泉郷。古くから湯治場として愛されてきた温泉街には、どこか懐かしい雰囲気が残されています。温泉はどの旅館や入浴施設も源泉かけ流しで提供されるほど湯量豊富。利用する源泉によってお湯の色も入浴感も異なるため、各旅館や共同浴場などで入り比べるのもおすすめだそう。

『大友屋旅館』は、江戸時代から続く素朴なお宿。館内にある囲炉裏コーナーでは、コーヒーやお茶を飲みながら、田舎へ帰ったようなくつろぎの時間を過ごせます。

ひとリート 肘折温泉 温泉ワーケーション

山形牛や季節の山菜・きのこなどが並ぶ夕食

お料理は、山形ならではの気取らない田舎料理。季節の山菜やきのこ、採れたての地場野菜をふんだんに使っています。入り口そばには飲泉所もあり、飲泉だけでなく温泉たまごも味わえるそう。

高橋さん的おすすめポイント

まさに“昔ながらの湯治場”といった雰囲気の温泉地。早朝には朝市が立ったり、1〜2ヶ月湯治に励む人が暮らすように滞在していたりもします。レトロな雰囲気が好きな人は居心地がいいですし、ゆっくり滞在したいワーケーションとも相性がよさそうですよね。湯治目的の人が多いこともあって、肘折にはひとり客を受け入れてくれる宿が多いです。『大友屋旅館』は肘折温泉の中では設備も整っていて、初めての人にもおすすめ。

温泉の質は高く、どの旅館も濁り湯を掛け流しで楽しめます。「肘折温泉」という名前は、ケガに効くことに由来しているそうなので温泉効果も期待できますよ。ただ、デスクスペースがある宿や施設は少ないので、畳の部屋で仕事という形になるかも。そんな時間も楽しめる人はぜひ!

大友屋旅館
◆山形県最上郡大蔵村南山505
一泊二食付 ¥9900〜
https://hpdsp.jp/ootomoya/

【島根】玉造温泉『翠鳩の巣』

日本最古の湯のひとつとされ、『枕草子』にもその名が記されている島根県の玉造温泉。古くから美肌の湯として有名で、“浸かれる化粧水”とも言われています。

そんな玉造温泉にある『翠鳩の巣』は、温泉旅館を改装して2017年にオープンした温泉ゲストハウス。昔ながらの旅館の佇まいを残しつつ、和モダンなテイストも取り入れたお宿です。

さまざまな椅子やソファーが並べられたモダンなロビーは、ワークスペースとしても利用可能。全館でWi-Fiが利用可能なうえ、メインテーブルにはUSB電源も完備されています。朝食はどこか懐かしさのある“日本の朝ごはん”といった雰囲気。たっぷりの野菜と地元名産のしじみのお味噌汁、島根県産のお米を味わえます。

高橋さん的おすすめポイント

出雲大社の近くにあり、観光客にも人気の温泉地。歴代の天皇に伝わる三種の神器の一つ、勾玉を作っていたことから「玉造温泉」と呼ばれるようになり、現在は日本有数のパワースポットとして知られます。まろやかな肌触りの温泉が楽しめますよ。

『翠鳩の巣』は他の旅館に比べると小規模な宿泊施設。ゲストハウスなのでひとり客も歓迎ですし、リーズナブルに宿泊できます。そのうえ、私が入浴した玉造温泉の湯船の中ではお湯がいちばんいいと思っています! 玉造温泉は規模の大きい旅館が多いのでお湯を循環させているところも少なくないのですが、こちらは掛け流しになっているのでお湯の個性がしっかり感じられます。リノベーションしているから部屋も清潔感がありますし、ロビーでは仕事が捗りそう。

翠鳩の巣
◆島根県松江市玉湯町玉造45-2
ひとり泊 ¥4000〜
https://www.aobatonosu.jp/

【大分】鉄輪温泉『a side-満寿屋』(コワーキングスペース)

ひとリート 大分 ワーケーション

湯治宿をリノベーションしたコワーキングスペース

大分県別府市にある鉄輪温泉は、別府八湯のひとつ。湯けむりにつつまれた、レトロな街並みが残ります。そんな鉄輪温泉でワーケーションするなら、コワーキングスペースを拠点に色々なお宿に泊まるのもひとつの手。

コワーキングスペース『a side-満寿屋』は、仕事をしつつ休憩がてら温泉に浸かる“湯ワーキング”を推奨しています。湯治宿をリノベーションしているため、ワークスペースもところどころに懐かしい雰囲気が。

休憩時にはロッカーに荷物を入れて、外湯めぐりに行ってみましょう。

加水なしの100%源泉かけ流しを楽しめる共同浴場『すじ湯温泉』や、発汗作用のある薬草・石菖(せきしょう)が敷き詰められた石室に横たわる“蒸し風呂”を体験できる『鉄輪むし湯』など、すぐ近くにお風呂があります。お腹が空いたら、100℃近くある源泉の蒸気で野菜や肉、魚などを蒸して調理する“地獄蒸し”もぜひ味わってみて。

高橋さん的おすすめポイント

鉄輪温泉は別府を代表する温泉街。あちこちから湯煙が立ち昇っていて、別府の中でも鉄輪温泉が一番温泉地らしさを感じられる場所です。自炊宿のようなこぢんまりした宿泊施設が多く、ひとりで湯治に励む人も多いので、ひとりでワーケーションをしても浮くことはありません。

コワーキングスペースは昔の湯治宿をリニューアルしていて、若い人も多い印象。私が利用したときも、若い人たちでほぼ満席でした。こちらを仕事の拠点にして近くの温泉宿に泊まったり、目の前にあるすじ湯に入ったりするのもおすすめのスタイル。周辺には公式サイトを持っていないような昔気質な宿が多いので、ビギナーにはちょっとハードルが高いかも。個人的におすすめしたい宿は『大黒屋』さんです。旅行予約サイトでも予約ができて、温泉の蒸気で野菜や卵を蒸す“地獄蒸し”も楽しめますよ。

a side-満寿屋 ※現在休業中。5/6~7頃に再開予定
◆大分県別府市井田4組 すじ湯温泉前
10:00〜18:00
ドロップイン:¥500/2h¥1000/1日
https://1side.jp/

【群馬】草津温泉『草津温泉コワーキング』

日本屈指の湧出量を誇る草津温泉で、温泉ワーケーションを推奨しているコワーキングスペースが『草津温泉コワーキング』。草津温泉のシンボルである湯畑から徒歩5分のこの場所は、「触覚」「視覚」「嗅覚」を意識した集中しやすい空間。施設全体を桧の香りが包み、手の触れる部分は木の質感を感じられる設計になっています。

集中ブース席やオープンスペース、会議室やウォーターサーバーのあるラウンジスペースなど、作業スペースも多種多様。施設内の一角ではプロの指圧師による指圧マッサージサービス(¥800/10分)も受けられます。

高橋さん的おすすめポイント

草津温泉はご存じのとおり観光客に人気の高い温泉地ですが、実はワーケーションにすごく向いているんです。温泉地の規模が大きく宿泊施設が多いので、素泊まりできる旅館や気軽に過ごせる民宿など選択肢も多い。だからひとり旅でもリーズナブルに予約できるというわけです。意外とひとり客にも懐が深いんですよ。

温泉街には徒歩圏内に「西の河原露天風呂」のような巨大露天風呂や、「大滝の湯」のような多種多様な湯船が揃う入浴施設、「白旗の湯」のような無料で入浴できる外湯などが集まり、入浴に困ることはまずありません。どこに入るか迷うほど。コンビニや飲食店もあるので食事にも困らず、滞在しやすい場所です

草津温泉コワーキング
◆群馬県吾妻郡草津町草津321
7:00〜22:00
ドロップイン:¥330/30分、¥960/1日
https://kusatsu.space/

取材・文・構成/堀越美香子 企画/木村美紀(yoi)

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April 21 Mon