「10年で店舗数が30倍」“日本式ラーメン店”が韓国で爆増したワケ。「昨年だけで約600軒オープンしました」
日本人から長く愛され続けられる味の一つである、ラーメン。今や、チェーン店が海外進出を果たすことも珍しくなく、今年2月には「喜多方ラーメン坂内」がドイツ・フランクフルトにヨーロッパ1号店をオープンしたことが話題となりました。
お隣・韓国では、日本で修行した店主が開業し、本場の味に挑戦するお店が増えているといいます。日本式ラーメンが独自に発展を遂げ、ラーメンオタクが発生するなど、その勢いは年々増しているそうです。
今回は、ラーメンYouTubeチャンネル“SUSURU TV”にも出演経験があり、自らも韓国でラーメンYouTuberとして活躍するobambbi(オバンピー)さんに、現地でのラーメン事情を伺いました。
ーー韓国での日本式ラーメン店の増え方は、どれほどのものですか?
obambbiさん:本当に爆発的な増加ですよ。2011年頃はソウル全体でも約40店舗しかなかった日本式ラーメン屋は、今や約1,200店舗まで増えました。とくに最近の伸びがすごくて、2023年の約650店舗から2024年には倍近くになっています。
ーー10年ほどでそこまで店舗が増えたんですね!一体、何がきっかけだったんでしょうか?
obambbiさん:大きなきっかけは2011年〜2012年頃に一風堂や京都の豚人(ぶたんちゅ)が韓国に進出したことですね。残念ながら一風堂は2016年に撤退しましたが、そこで働いていた従業員たちが身に付けた技術を活かして独立し始めました。
それからはもう、木の枝が広がるようにラーメン屋が増えていきました。修行した人が独立して、そこでまた新しい人が修行して独立する…このサイクルがどんどん加速しています。
ーーobambbiさんは2003年から2011年まで日本に滞在し、その間に日本式ラーメンにハマったそうですね。韓国に帰国された頃、現地の日本式ラーメンの味はいかがでしたか?
obambbiさん:2011年頃は、ほとんどの店が工場の既製品の材料を組み合わせた味でしたね。自家製スープのお店は何店舗かあったものの、麺をイチから作るお店はほとんどありませんでした。
それが今では韓国内で約300店舗、つまり全体の約4割が自家製麺を提供するまでになりました。
最初はどの店も日本の製麺機を使っていましたが、今は3割ほどが韓国の製麺機を使っています。日本のラーメン屋で修行した店主のお店も15店舗ほどあって、技術的にもかなり向上していると感じます。

オバンピーさん
韓国で急増する日本式ラーメン。10年で30倍に拡大
自家製麺が普及し、技術も向上している

韓国製の製麺機
韓国のじめっとしたアングラ情報を嗅ぎ回ることに生きがいを感じるライター。新卒入社した会社を4年で辞め、コロナ禍で唯一国境が開かれていた韓国へ留学し、韓国の魅力に気づく。珍スポットやオタク文化、韓国のリアルを探るのが趣味。X:@bleu_perfume
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