転職した
スタートアップ文化への適応
大企業2社を経て初めてのスタートアップへの転職。これまでと大きく異なっていたのは、ロールベースではなくアクションベースで仕事が進んでいくこと。ロールの名のもとに誰にどの業務領域を担当してもらうのか明確にし、そこに責任を載せることで駆動していくのがロールベース。一方で現環境は、ロールなんて気にせずアクションを起こした人が正義。目まぐるしく変わる状況の中で、最適なアクションを起こし、価値のインクリメントを最大最速にしていく。そうしたスタートアップ文化に慣れるのに最初は苦労した。まだ手探りでもある。
フロントエンド開発にがっつり入れた
これはキャリア形成において大きな出来事だった。インフラ、バックエンドと経験してきたが、フロントエンドは門外漢だった(Rails も API モードばっかり触ってた)。それが業務やコミュニケーションのネックになることがあったし、技術領域を横断的に俯瞰した意思決定をするにはどうしてもフロントエンドをカバーしておきたかった。やってみて分かったが想像以上に概念が複雑で覚えることも多い。Figma を見ながら、その通りに実装が進んでいく過程は楽しい。
新しい技術領域に踏み込めた
分散トランザクションやイベントソーシングなど、これまで経験したことがなかったアーキテクチャを設計/実装できた。テックブログでアウトプットも出せた:
ゼロイチフェーズのプロダクトに関われた
前職でもゼロイチはあったが Embedded SRE ロールだったので少し違う。「誰に」「何を」「どうやって」「いつまでに」とチームで向かい合うことができた。事業領域とエンジニア領域の境界線がなく、事業上の意思決定を深く理解しているので、実装において齟齬が発生することはまずないし、スピード感も半端ない。コンテキストが多く、脳みそがパンクしそうにもなったが、事業がスケールしてもこのスピード感を維持したい。
打席数と速さが大事と知る
タスクをひたむきにやるだけじゃ足りない。プロダクトを成功させるために、アクションの量をとにかく増やす。正確さより打席数と速さが大事。失敗を恐れて尻込みするのではなく、何でもやってみてダメだったらあとから謝る。
悲観 vs 楽観のバランスをより意識した
過去の現場では目を背けたくなる技術負債がいつも隣にあった。負債に慎重であり、それを生み出さないことが至上命題になっていった。生み出す価値より、整合性が取れる、運用しやすいが判断の指針に。とはいえ、ゼロイチのプロダクトにおける不確実性の高い状況では手段としての楽観も必要だと学んだ。チームが楽観なら自分は悲観で、チームが悲観なら自分は楽観で考えることでバランスを取っている。
何でもやりながら成長していけるというマインドになった
プロダクトを成功させるために必要なことは何でもやっていこう、というマインドになった。例えば、ピープルマネジメントを習得する余裕がないからやらないというマインドから、プロダクトの成長のためにピープルマネジメントで貢献できるならやりたいというマインドに。「経験がないから」「余裕がないから」という言い訳に逃げないようにしたい。経験の部分は ChatGPT と壁打ちできる時代になったのである程度カバーできる。
エンジニアリングというものに向き合えた
「分からないこと」に向き合う力が確実に付いた。毎日が「分からないこと = 不確実性が高いこと」だらけなので、不確実性を小さくする How to もたくさん身についた:
- 目的不確実性(何があったら便利か、売れるか)
- MVP、N1 インタビュー、バリュープロポジション、インセプションデッキ
- 方法不確実性(どうやったら作れるか)
- とにかく早く動くものを実装する
- スクラムイベントの部分活用
- ストーリーポイント見積もりを手段とし、不確実性を明らかにする
- 抽象的なスプリントゴール設定によりチームの爆速自走状態が作れる
- プロダクト全領域を俯瞰してプラスになる意思決定
- ex. マーケティングに活用しやすい技術選定
むしろ「分からないこと」に積極的に突っ込みたいし、その方が自分にとってのリターンも大きい。
月1くらいで社外のエンジニアと交流できた
イベントやカンファレンス参加に参加し、社外のエンジニアと交流する機会を多く作れた。その後の継続的な交友にも繋がっているので本当にありがたい。新しい発見や学びを交換できるのもそうだし、互いを応援し合える関係を築けたことは大きな財産になっている。
技術発信は少なかった
カンファレンスに CFP 出したが落選した。シンプルに球数が少なすぎたので来年以降はもっと増やしたい。