アクションがなんだかスゴイことに!
現地時間2015年10月28日から11月1日まで、フランス・パリで開催されたParis Games Week 2015。同イベントでスクウェア・エニックスブースでは、プレイステーション4用ソフトとして発売予定の『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』のステージも実施され、プロデューサーの齊藤陽介氏とディレクターのヨコオタロウ氏が登壇。『NieR:Automata』の最新映像などをお披露目し、フランスのファンを大いに喜ばせた。
ここでは、そのステージ前日に齊藤PとヨコオDにインタビューする機会をいただいたので、最新情報に関する詳しい話を訊いた。
カボチャのエミールはうちの欧州スタッフが徹夜で中身をくり抜いてくれてました! RT @yokotaro: 今日はインタビュ―漬けの日。そしてスクエニスタッフの方が作って下さったハロウィンかぼちゃに囲まれて記念撮影。 https://t.co/EHyiUJRd7U
— 齊藤陽介 Yosuke Saito (@SaitoYosuke_Z)
2015-10-29 02:42:31
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――E3 2015で発表された『NieR』最新作ですが、ユーザーの反応はいかがでしたか?
ヨコオ E3での発表以前、Twitter上での感触としては『NieR』に関しては国内の方からの声が多く、海外からは一部のマニアな方から少々、といった感じだったんですけど、E3で発表したあとは、海外から「『NieR』がすごく好きだった」とおっしゃってくださる方がすごく多くて、そこにすごく驚きました。思ったよりも、キャーキャー言ってくださってよかったなと。
齊藤 びっくりするよね。どこに隠れてたんだと(笑)。
ヨコオ 声が大きいだけで、最終的には売れないんじゃないかと少し疑っているんですけど(笑)。
――今回、Paris Games Weekでは正式タイトル『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』が発表されましたが、タイトルはすんなり決まったのですか?
齊藤 いや、すんなりとはいきませんでしたね。最初、ヨコオさんのほうから“Androids”というタイトルを提案してもらったんですが、商標の問題でそれはダメでした。
ヨコオ Googleさん相手には戦えませんでした。E3 2015の前まで「どうしようか」と話し合ったんですけれど、けっきょく決まらず、E3の映像では『NieR New Project』という仮題がクルクル回っておしまい、という衝撃の展開になったわけです。
齊藤 E3では、「次の情報は秋に出します」と宣言していたので、そこまでには決めないと、と思っていました。候補は20以上はあったんですけど、最終的には“Automata”で決まりました。それが9月です。
――では、決まりたてのホヤホヤと。
齊藤 そうですね。
――Paris Games Weekは大規模なイベントではありますが、日本ではまだあまり馴染みのないイベントだと思います。パリで第2報を発表しようとした理由は何かあるんですか?
齊藤 秋になると、ゲーム内の一部エリア限定なら、最終クオリティー近い状態のアクションシーンの映像が用意できそうだ、という目処はついていました。ただ、東京ゲームショウには間に合わないけれど、Paris Games Weekなら間に合いそう、ということもあって、E3のころから次の情報出しの場として、Paris Games Weekに照準を合わせていました。それでもスケジュール的にはキツくて、今回の映像は2週間前に収録した、いわば“撮って出し”のものです。
ヨコオ ギリギリのギリギリでしたね。
齊藤 ですが、プラチナゲームズさんのアクション! という部分を披露できてよかったです。
――そんな状況での、あのドラマ仕立ての演出(※)は……。
※PVの前に、『NieR:Automata』の最新情報を、齊藤PとヨコオDがプラチナゲームズ(大阪)に行って取ってくる、という映像が用意されていた。
ヨコオ 最新映像をただ披露するだけだと、何となく足りないな、と思いまして。齊藤さんに提案させてもらいました。
齊藤 収録の日、ぜんぜん寝てなくて、まさか昼間からビールを飲むことになるとは思いませんでした(笑)。
――そこは飲むふりでいいのでは(笑)。
ヨコオ マスクを被っていると周囲がよく見えないんですけど、モーションキャプチャの収録シーンでカメラをまわしていたときは本番だったんです。アクションが終わったあと、まわりの「スタッフが大丈夫じゃない?」と言っていたので、僕自身はぜんぜん見えてなくていいか悪いかわからなかったんですが、カメラもまわってるし「オーケー!」のサインを出しました。いま考えると、ディレクターがよくわかっていないモーションが製品に入るなんて、おそろしいなと(笑)。
荒廃した地球上で人間と異星人の代理戦争が続く世界
――世界観についても少しお話いただけますか?
ヨコオ 遠い未来に、突然、地球に異星人が侵略してきて、彼らがくり出す兵器“機械生命体”の圧倒的戦力の前に、人類は地上を追われ月へと逃げ延びている、という状態の世界です。人類は地球を奪還するために、アンドロイド兵士による抵抗軍を組織して、新型アンドロイドである戦闘用歩兵“ヨルハ”部隊を地球に派遣します。その“ヨルハ”部隊に所属しているのが2Bです。
齊藤 つまり地球上で、人間と異星人の代理戦争をアンドロイドと機械がやっている、という構図です。プレイヤーはアンドロイド側です。設定はすごくSFチックですが、イメージボードを見ていただければわかると思いますが、自然満載なステージもありつつ、近代都市の廃墟もあるといった感じで、従来のSFのイメージとは少し異なるおもしろい世界観になっていると思います。
ヨコオ 前作のファンの方、スクウェア・エニックスファンの方もそうだと思うんですが、ファンタジーRPGが好きな方が多いと思いますので、あまりコテコテのSFにならないようには気をつけています。
――イメージイラストのように朽ちた機械生命体もいるということは、地球が異星人に支配されて、かなりの年月が経っているということですよね?
ヨコオ 何百年も戦い続けている、という設定です。
――その戦いの先にあるのは……。
齊藤 ハッピーエンドです。
ヨコオ ハッピーエンド……です。
――にはかには信じがたい……(笑)。
齊藤 ヨコオさんのハッピーエンドというのは、みんな期待するものではないかもしれませんが(笑)。
――アンドロイドとかロボットとか……いかにも切ない風な感じになりそうじゃないですか。
ヨコオ 今回はハッピーエンドです。ひねったものでもないです。安心してください。まわりの人に言っても誰も信じてくれないんですけど。