2月に石破茂首相とトランプ米大統領が発表した共同声明は、台湾海峡情勢を巡り「力または威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みに反対」すると表明した。しかし国際社会では現在、こうした姿勢とは正反対の、中台統一に向けた「あらゆる努力」を支持するとの立場が中国の外交戦を通じて拡大している。
豪州シンクタンク、ローウィー研究所が1月に発表した報告書によると、台湾は中国の不可分の一部などとする「一つの中国」原則を支持する国は119カ国(国連加盟国の約62%)に上る。このうち89カ国が中国による「国家統一のための努力」に支持を表明し、その「努力」が平和的であるべきだとは言及していないという。つまり努力には台湾への「武力侵攻」や「封鎖」なども含まれ得るのだ。
報告書は「意図的であろうとなかろうと、国連加盟国の半数近くの国々が、中国による台湾の併呑を正式に支持したことになる」と結論付けた。