ものまねのコツについて「鼻にかかった『え~っ』と、ちょっと滑舌の悪いところ。ビジュアルは太くて下がった眉毛と深めのほうれい線」と説明。閣僚の不祥事などが続いた第1次政権では、「猫背と哀愁」をまねたが、第2次以降の2012~20年は「官邸に入るときの、指を真っすぐにそろえて手をあげるあいさつが印象的」と安倍氏の変化を指摘。風格を出すため、「堂々としたキャラに変えた」とした。
福本を〝公認〟していた安倍氏は17、18年に妻の昭恵さん(60)と催した事務所職員らをねぎらうクリスマスパーティーに招待。ネタを披露すると、「安倍さんは不満そうに『私そ~んなしゃべり方してますかね』と言いながらも喜んでくれた」と懐かしんだ。
20年8月の辞任会見後には安倍氏に電話し、留守電に「うれしくないネタもあったと思いますが、お体を気をつけてください」と残した。数時間後に本人からメールで「ありがとう」と返信があり、「忙しい日で無視してもいいのにすごく誠実な方」と感謝。公邸から引っ越す際は、謝意を込めて手伝いをした。
恩人の死に「一時はショックでネタの封印も考えた」という福本。一方、「安倍さんを続けてください」という声が多数届き、「社会のムードを見ながらになりますが、安倍さんは『ど~んどんやってください』と許してくれると思う」と悲しみをこらえたものまねで継続を誓った。