最近出生率の回復に成功していたように見えていた国々でも、出生率が低下している。なぜか。亜細亜大学経済学部教授の権丈英子さんは「仕事(ワーク)に比べて生活(ライフ)の魅力が相対的に低下すると、結果として少子化が起きる」という。『少子化 女“性”たちの言葉なき主張』を上梓した雇用ジャーナリストの海老原嗣生さんとの対談をお届けしよう――。 「女性が仕事をすると出生率が下がる」のウソ 【海老原】権丈先生がすごいのは、血の通わない経済学の定説に対して、しっかりと反論をして、「より現実に近い」話をして下さるところですね。たとえば、「女性が仕事をすると、出生率は下がる」なんて話が、かつては統計データの分析から語られていました。でも、そんな「常識」が、ある時期から綻びを見せだした。数字しかいじっていないダメな学者は、この変化を説明できませんでしたね。 【権丈】今回海老原さんが、豊富なデータを用いて、女性の
