tipmona(モナコインちゃんbot(@tipmona))とは、暗号通貨「Monacoin」を誰かのTwitterアカウントに送金するためのウェブサービスであり、Twitterのbotである。いわゆる「tipbot」の一種。
「Palon」(@palon_m)氏が製作・運営していた。ただし運営継続に難が生じたこと、またより高性能な他のモナコインtipbot(MONA Tiproid(@monatiproid
)など)が複数公開されていることなどの理由から、2019年9月10日をもってサービスを終了した。
突然この「@tipmona」からモナコインを送り付けられて困っている人は、この記事下部の「なんだこれ?どうすればいいの?」の章を参照されたい。
概要
一見、Monacoinの非公式マスコットキャラクター「モナコインちゃん」のキャラクターbotのように見える。ユーザーがtipmonaを操作するときには「モナコインちゃん」に話しかけるかたちになる。そしてそれに応答するシステムメッセージも、「モナコインちゃん」の台詞であるかのようにツイートされた。
登録などは基本的には一切不要。Twitterで特定のキーワードをツイートするだけで誰でもすぐに使用でき、Twitterのアカウントを持つ人物相手なら誰にでも送金することができるのが特徴だった。
友人・知人はもちろん、全然会ったこともないしMonacoinを使ってもいないと予想される相手にも、相手のユーザー名を知っていれば一方的にMonacoinを送付可能。Twitter上で楽しいツイートをしていた人、niconicoやYouTubeでいいねと思った作品のクリエイター、なにかの公式アカウントなどなど、存在しているTwitterユーザー相手であれば誰彼構わず送り付けることができた。
安倍晋三内閣総理大臣やドナルド・トランプアメリカ合衆国大統領のTwitterアカウントにMonacoinを送り付けた例もある[1]。「@tipmona @[有名人のユーザー名]」をキーワードとしてTwitter検索してみると意外な人物がMonacoinを送られているかもしれない。
tipmonaという名称が示す通り、基本的には「いいね!」と思った相手やお礼をしたい相手にMonacoinでtip(チップ、投げ銭)を贈るために使われていた。感謝の言葉とともに0.39MONAを贈って「さんきゅー」の意味を込めたり、0.114114MONAを贈って「いいよいいよ」の意味を込めたりといった、語呂合わせをしているユーザーもいたようだ。
操作も単純で、基本的には「@tipmona」で始まるモナコインちゃんbot宛てのリプライをするだけで送金指示などの各種操作が行えた。
どうして誰にでも送れてしまうのか?
tipmonaを銀行にたとえるなら、「Twitterのユーザー名」(「@ほにゃらら」の部分)を銀行口座番号に相当するものとして動作していた。
つまりTwitterのユーザー名さえあれば、それを口座番号扱いとしてそこにMonacoinを入金したり、あるユーザー名からあるユーザー名へと送金したりすることができる。
Twitterのユーザー名を口座番号としてMonacoin残高を管理していたサービスということになる。
沿革
2014年2月に当時17歳の高校生だったPalon氏によって運営開始された。
(このような暗号通貨をTwitterアカウントに送り付けるためのウェブサービス(tipbot)は2013年に始まったBitcoinを送るサービス「ChangeTip」(@ChangeTip)などの先行事例がいくつかあった。そのためtipmonaが世界初のものだったというわけではない。だがこれら先行サービスは全て既に運営停止してしまっているようであり、2018年1月現在も継続している類似サービスとしてはtipmonaが世界最古かもしれない。)
2015年6月には「giveme」コマンドが廃止。これは24時間に1度少額のMonacoinをモナコインちゃんbotからもらうコマンドだった。
2017年6月、「Monappy」でのtipmonaの入出金が可能になった。ただし運営がMonappyに移管されたというわけではないようで、その後もPalon氏個人によるサービスという扱いのままとなった。
2017年12月9日、TwitterによってAPIが凍結されツイートからの操作が不能に。幸い6月のMonappyとの連携が済んだ後だったため、残高を引き出したい場合はMonappyを使用すれば問題なく引き出し可能だった。
2017年12月16日、APIの凍結が解除しサービス再開。この後から、Twitter側の制限により「いいね」をつけなくなった(それまでは操作ツイートが成功した場合、モナコインちゃんbotが操作ツイートに「いいね」をつけていた)。
さらにツイート回数に「30分に50回まで」という制限がかかったため、入金・出金・残高確認はできればMonappy連携から行ってほしいとアナウンスされた。
2018年8月16日、tipmonaが利用していた、Twitterが提供するAPI「User Streams」が廃止された。それに伴いtipmonaを個人で運用維持することが困難になる見通しとなり、存続させるために協力してくれる企業などを募った[2]。その結果、協力企業が見つかったため運用維持の目途は付いたとのこと。[3]ただしTwitter社のAPI申請に時間がかかるために2018年8月25日からはサービスが一時的に停止されたが、一時停止期間中もmonappyから残高を引き出すことはできた[4]。その後、新たなAPI「Account Activity API」への移行を済ませた上で2018年9月9日に全機能が再開された[5]。
しかしその後2019年3月3日、今後の運用が困難であること、より高性能なモナコインtipbot(「ももな」(monatipot)やMONA Tiproid(monatiproid
)など)が公開されていること、運用譲渡に伴うリスクを保証できないことを鑑みて、今後の停止予定が告知された[6]。そして、2019年9月10日をもってサービスを終了した。
関連静画
関連項目
関連リンク
参考リンク
脚注
- *tipmona abeshinzo - Twitter検索
、tipmona realDonaldTrump - Twitter検索
- *モナコインちゃんbotさんのツイート: "8月16日のUserstream API廃止により、tipmonaのシステムを維持することが困難になる見通しです。存続させる方法を模索していますが、代替APIの利用料金は最低でも月に$339かかり、個人での運用は難しい状態です。ご興味のある企業の方などいらっしゃいましたら、@palon_mにご連絡お願いいたします。"
- *モナコインちゃんbotさんのツイート: "企業様よりこちらの新APIに対応するためご協力いただけることは決定しており、そちらの面での問題は解決しているのですがTwitterのAPI審査が間に合わず今すぐには継続することが困難です。 審査が完了しAPIが利用可能になり次第速やかに対応、tipmonaを再開いたします。"
- *モナコインちゃんbotさんのツイート: "【重要】TwitterによるUserstreamの廃止により、本日より01:00~02:00, 07:00~08:00, 13:00~14:00, 19:00~20:00にてtipmonaのコマンドが受け付けられなくなります。 廃止は段階的に行われ、25日には一時的にtipmonaは停止します。 一時停止後もmonappyより引き出しは可能です。"
- *モナコインちゃんbotさんのツイート: "【お知らせ】大変お待たせいたしました、すべての動作の確認が完了したのでtipmonaの全機能を再開いたします!"
- *モナコインちゃんbot【停止予定】さんのツイート: "今後の運用が困難なこと、より高性能なbotが公開されていること、譲渡のリスクを保証できないことなどを考慮し停止することにいたしました。 tipmonaと似た機能を持つbotとして、monatipbot, monatiproid などが存在しますのでご紹介します。(これらbotとtipmonaとの直接の関係はありません) (2/3)"
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