F1ピットストップBACK NUMBER

角田裕毅は「目を瞑っても走れる鈴鹿」で気難しいレッドブルを乗りこなせるのか? 昇格後初レースにかかる期待と目標《F1日本GP開幕》

posted2025/04/04 11:04

 
角田裕毅は「目を瞑っても走れる鈴鹿」で気難しいレッドブルを乗りこなせるのか? 昇格後初レースにかかる期待と目標《F1日本GP開幕》<Number Web> photograph by Getty Images / Red Bull Content Pool

レッドブル昇格後初レースとなる日本GPへの抱負を「Q3進出」と控えめに語った角田

text by

尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

PROFILE

photograph by

Getty Images / Red Bull Content Pool

 今年の日本GPは、日本人にとって例年になく、落ち着かない中で開幕した。その最大の理由は、角田裕毅がレーシング・ブルズからレッドブルに移籍して、日本GPを戦うからだ。

 日本人ドライバーがトップチームのマシンに乗って母国グランプリを走ったケースは過去にほとんどない。これまでの日本人ドライバーの母国での最高位は3位。トップチームとは言えないアルファタウリのマシンで21年のアブダビGPで4位を獲得している角田に、今年の鈴鹿でこれまで見たことがない光景を見ることができるのではないかと心を踊らせている。

 その一方で、気を揉むファンも少なくない。角田がレッドブルのマシンを乗りこなすことができるのかという不安だ。レッドブルは過去15年間で6回コンストラクターズ選手権を獲得したトップチーム。マックス・フェルスタッペンも21年から4連覇している。だが、そのチームメートはフェルスタッペンほどの成績をこのチームで残すことができなかった。

ADVERTISEMENT

 19年にはピエール・ガスリーはシーズン半ばに降格。ガスリーのステアリングを引き継いだアレクサンダー・アルボンも翌年いっぱいでチームを去った。そのアルボンに代わって移籍してきたセルジオ・ペレスはガスリーとアルボンが成し遂げられなかった勝利をレッドブルのマシンで掴み取ることができたが、24年の後半戦に失速。契約を残したまま、24年シーズン終了後に失意の退団となった。

 そのペレスの代役を務める形でレーシング・ブルズからレッドブルへ昇格したリアム・ローソンに至っては、開幕から苦しいレースが続き、わずか2戦でシートを追われた。そのローソンは昨年角田のチームメートだった。全体的な内容では角田のほうがローソンを上回っていたが、ローソンも決して遅かったわけではない。それが日本のファンにとって気がかりなのだ。果たして、角田はレッドブルのマシンを乗りこなすことができるのか。

レッドブルはまったく違うクルマ

 角田は昨年の最終戦アブダビGPの後に行われた合同テストで昨年のレッドブルのマシン「RB20」を運転している。そのときの印象を角田は次のように語っていた。

「きちんとしたテスト走行で初めて、レッドブルのレースカーに乗りました。同じF1なのに、(レーシング・ブルズとは)まったく違うクルマでした。ダウンフォース量はもちろんですけど、コーナーリングしているときのクルマのキャラクターが違いました。フロントも そうですが、リアのフィーリングが特に違いました。RB20はマックスがドライバーズチャンピオンを獲得したクルマですが、その理由を体感することができた感じです」

【次ページ】 別次元のスピードへの適応

1 2 NEXT
#角田裕毅
#レッドブル・レーシング
#マックス・フェルスタッペン
#ホンダ

F1の前後の記事

ページトップ