高橋大輔「滑走屋」再演前夜に語った2年目にかける思い/全文

プロフィギュアスケーターの高橋大輔(38)がフルプロデュースするアイスショー「滑走屋」の公開リハーサルが3月7日に会場の広島市・ひろしんビッグウェーブで行われました。8日、9日の全6公演で、1年ぶりの再演となる舞台。リハーサル後に行われた高橋、村上佳菜子、応援団長を務める声優の春瀬なつみの会見の様子をお届けします。前回から7人増えた総勢26人のキャストが織りなす斬新なショーに込める想いとは-。(敬称略)

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「滑走屋」 シングル選手として10年バンクーバー五輪銅メダル、10年世界選手権優勝などの功績を残し、アイスダンスに転向して3季を過ごした高橋が、23年5月の引退後に初めて手掛けたアイスショー。75分間ノンストップで「職人技」で見せるエンターテインメント。村元哉中、村上佳菜子らメインスケーターの他、若手をアンサンブルスケーターとして召集し、「パフォーマンス集団」として打ち出す。

公開リハーサル終了後に記念撮影をする(左から)高橋大輔、春瀬なつみ、村上佳菜子

公開リハーサル終了後に記念撮影をする(左から)高橋大輔、春瀬なつみ、村上佳菜子

「若いスケーターのエネルギーを感じ」

司会 まず最初に本公演のプロデューサーである高橋大輔よりごあいさつと本公演の見どころをご紹介させていただきます。

高橋皆様、本日は滑走屋の公開リハーサルにお越しいただき、ありがとうございます。見ていただいた通り、総勢26名のキャストでやらせていただいております。他では見られないようなたくさんのムーブであったり、世界観的にもソロのメインスターたちにも僕自身がこの曲で滑ってほしいという形で、始まってから終わるまで1つの世界観というのを大切に作って参りました。

初めてこのアイスショーというものに参加するスケーターもいる中で、立ち位置がたくさんあるんですけれども、立ち位置をスケートのアイスショーで決めるっていうのはほとんどないんですけれども。この滑走屋は細かいところまで立ち位置が決まっていてですね、まずはそこを覚えるところからで。初めて滑走屋に参加してくれた方たちはわけがわからない状態でスタートしたんですけれども、日を増すごとに、どんどん、どんどん、いろんなことを覚えていってですね、やっと今日の今日まで来ることができました。本当にこの何日間かの中でも、日々成長を感じつつ、ベテランのね、村上佳菜子ちゃんだったり、いろんな人のサポートを受けながら、みんなで一致団結してこのショーを披露するというところで。若い力、若いスケーターのエネルギーを感じつつ、明日からの6公演を全力で皆様にお届けできたらなと思います。

公開リハーサルの様子

公開リハーサルの様子

司会 ありがとうございます。続いて、メインスケーターとして出演している村上佳菜子から滑走屋の仕上がり、手応えについて聞きたいと思います。

村上今回は去年やった滑走屋の再演ということで、同じものをやるのかなと思いきや、もう全てがレベルアップしていて。同じような動きをしてるんですけど、全く違うもの。1から覚えるレベルの追い込みでみんなでやっていったんですけど。関東組は夜の練習から参加して、1ヶ月前からしたり。関西組はビデオで自分で一生懸命覚えて、1週間前の愛媛の合宿に合流した状態だったんですけど。1人1人の意識が高くて、誰1人もサボったり緩んだりするスケーターはいなくて。1人1人自分に厳しく追い込んだからこそ、今ここで現実にここまで仕上がったんだなって改めて感じています。大ちゃんは特に、もうずっとリンクにいて、1回も靴を脱がないぐらい1人1人と向き合って振り付けもやってくださっていましたし、(振り付けの鈴木)ゆまさんも1人1人大切に思ってくださって作り上げてくれて。(村元)哉中ちゃんも、自分が休憩できる場所でもみんなに声かけて「これやろう」って言って。みんなで作り上げていった滑走屋だと思うので、早く明日、皆さんの前で披露するのがとても楽しみです。

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。