ブラジル音楽界の巨匠、セルジオ・メンデスさんが5日に83歳で死去したことがわかり、プロレス界も深い悲しみに包まれている。

 日本のプロレスファンの間でおなじみの曲が、1984年のロサンゼルス五輪のテーマ曲としてリリースされたメンデスさんの「オリンピア」だ。元全日本プロレスリングアナの木原文人氏によると、同年の全日本暮れの祭典「世界最強タッグ決定リーグ戦」で、中継する日本テレビの選曲で初めて使用されたという。現在も最強タッグの入場式などで使用されており、暮れの風物詩の代表曲として定着している。

 取材に応じた全日本の和田京平名誉レフェリー(69)は「あれを聴くと1年が終わるんだなと感じる。選手、スタッフよりお客さんの方が思い入れがあるよね。今でもお客さんから『オリンピアが聴きたくて会場に行きます』と言われるから。だから全日本がある限り、最強タッグではこの曲を使わないとダメですよ。これがないとオールファンがいなくなってしまう。(メンデスさんには)『本当にいい曲をありがとうございました』ですよ。ご冥福をお祈りいたします」と哀悼の意を表した。

 なお47回目を迎える今年の最強タッグは、11月9日に後楽園ホールで開幕する。