西武は28日の開幕・日本ハム戦(ベルーナ)に0―2の完封負け。91敗からの再建を図る新シーズンは黒星発進となった。
先発・今井達也投手(26)は相手先発・金村と同じ105球で9回完投。しかしながら終盤に清宮、レイエスのソロ本塁打を浴び、手痛い2発に泣いた。打線は中盤の4、5、6回に積極的な走塁を絡め、得点圏に走者を進めたが決定打が出なかった。
「これじゃ去年と同じじゃないかよ!」――。再建のキーマンの1人である鳥越裕介ヘッドコーチ(53)がインタビュールーム前を通り過ぎる際、あえてこのように自虐的に声を張り上げ、報道陣の笑いを誘った。
一方で西口文也監督(52)は「ここ一本という去年からの課題ですけどね。オープン戦では出たけども、やはりこの公式戦で出し切れなかったというところもあるし、あとは積極的に打ちに行ってやられたというのもある」とコメント。4回二死二塁、5回二死三塁、6回二死二塁と3度の好機を迎えながらも、それぞれセデーニョ、古賀、ネビンが金村にうまく変化球でタイミングを外され、いずれも空振り三振に終わった場面を振り返った。
さらに指揮官は「走塁も積極的に行って、アウトになったというのもありましたけどね。そこは思い切って行った中での結果なので、それはもうしょうがない」。4回一死、ネビンの左前打で一塁から一気に三塁を狙った西川が走塁死。加えて7回一死の場面で一走・渡辺聖が盗塁死となった2つのシーンをクローズアップしたものの、責めることはなかった。
開幕前の対外試合20戦で無得点に終わった内容は1度もなかった。ところがチーム再建を目指すスタートの「本番」が6安打完封負け。やはり「野球は甘くない」ことを肝に銘ずる船出となった。それでも首脳陣、ナインがともに攻めた結果の失敗に対し、指揮官の表情に悲愴感が漂っていなかったのは、せめてもの救いと言えそうだ。