日本の教育力の高さは、世界的にもよく知られ、「高い基礎学力の水準」や「全国一律の教育水準」は、その象徴と言えるだろう。文部科学省が定める学習指導要領の下、全国どこでも等しく教育を受けられる仕組みが整っていることは、教育の公平性という観点から大きな価値がある。 全国一斉にテストを実施しやすく、学力の状況を「可視化」しやすいという点も大きな特徴だ。しかし、果たして"見える学力”だけが、子どもたちの成長や生きる力の全てを表しているのだろうか。これは長年、教育現場で繰り返し問われ続けてきた本質的な問いではないか。 一斉授業の下では、どうしても受け身になりがちな子どもたちが出てくる。また、全ての子どもの学びのペースや興味に対応するのは難しく、「個別最適な学び」とのギャップが生じやすいのも事実だ。さらに、こうした教育課題に加えて、経済格差や体験格差といった社会的背景も無視できない。特に、全国の中でも学