「バカげてる」「最悪の選択」全世界対象の“トランプ関税”めぐり…アメリカでも懸念の声
「きょうはアメリカを再び豊かにする日」と述べ、日本時間の3日朝、全世界を対象に相互関税を発表したトランプ大統領。しかし、アメリカ国内でも懸念の声が上がっています。
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トランプ大統領(日本時間3日午前5時ごろ)
「世界中の国々に相互関税を課すという歴史的な大統領令に署名する。向こうが我々に課すなら、こちらも向こうに課す。きょうはアメリカを再び豊かにする日となる」
日本時間の3日朝、「相互関税」の導入を発表したアメリカのトランプ大統領。手にしたボードには、国別の税率がずらりと並んでいました。世界各国を対象に最低でも10%、最高で50%の「相互関税」を課すと明らかにしたのです。
これで“アメリカを再び豊かに”できるのか…。
発表を受け、ニューヨークの町の人は…
──関税を支持するか?
「関税を支持しません」
「バカげています。賛成できません」
「関税を払うのは私です。交渉の戦術なんでしょうが最終的に価格を上げることになるので、最悪の選択でしょう」
「関税のせいでさらに多くの人が苦労すると思います 」
話を聞いた人、全員が「相互関税に反対」する結果に。物価高を加速させる可能性があると、不安を口にしていました。
さらに。
山田元気記者・NNNサンディエゴ
「続々とトラックが入ってきています。ナンバプレートを見るとアメリカ、メキシコ、両方のものが付けられています」
「相互関税」発表の直前、貿易の最前線にあるメキシコとの国境の町では、固唾をのんで発表を待つ人が。
運送会社のオーナー(関税発表前)
「ギリギリまで生き残りをかけて何ができるかを考えています。従業員を解雇はしたくないので解決策を探しています」
メキシコからの輸出入が売り上げの大半を占めるこちらの運送会社。関税が課されれば、運ぶ輸入品が減るため、事業が成り立たなくなるのではと厳しい表情を浮かべていました。
しかし、トランプ大統領の発表後、再び話を聞きに行くと…顔には満面の笑みが。
運送会社のオーナー
「だいぶ気持ちが楽になりました」
すでに25%の関税が課せられているメキシコ。今回さらなる関税の上乗せは免れたのです。
運送会社のオーナー
「事務所を閉める必要も、従業員とドライバーを解雇する必要もなくなりました」
ただ、今後、トランプ大統領がどのような決断をするかわからないため、関税がかけられた時のために準備を進めるということです。