【米イリノイ州シカゴ23日(日本時間24日)発】レッドソックスの吉田正尚外野手(29)はホワイトソックス戦に「3番・DH」で先発し、左前打、遊ゴロ失策、中直、左前打の4打数2安打で今季27度目のマルチ安打をマーク。打率を3割7厘に上げた。チームは4安打で17三振を喫したものの、相手失策と主砲ディバースの18号2ラン本塁打で挙げた得点に吉田も絡み、3―1で勝利をものにした。
吉田は初回二死の第1打席、先発右腕ジオリトに対し3―1からの5球目、95マイル(約152・8キロ)の外角寄りのストレートを強振。右にシフトしていた三塁手の左を痛烈なライナーで抜ける打球速度105・5マイル(約169・78キロ)の左前打を放つ。
3回先頭の第2打席は2―2からの6球目、94マイル(約151・2キロ)の高目いっぱいのストレートで相手バッテリーの注文通りにゴロを打たされるが、これを遊撃手が捕球できず失策で出塁。その後、4番ディバースの2ラン本塁打で生還を果たした。
5回の第3打席は1―0からの2球目、85マイル(約136・79キロ)の甘いスライダーを左中間に弾き返すも中堅手によって飛距離332フィート(約102メートル)のライナーが捕球される。8回の第4打席は3番手の右腕ロペスに対し0―1からの2球目、99マイル(約159・3キロ)の外角ストレートをしっかりととらえ、打球速度105・6マイル(約170キロ)の痛烈なゴロが狭い三遊間を破る左前打となった。
全4打席全てで逆方向へのアプローチを実行し吉田は「(投球の)コースなりにって感じ。狙ったんじゃなくて、あっちに飛んでいったという感じ」と振り返り、中直に倒れた第3打席についても「あれも感じは良かったが、(相手の)守備位置的にいいところにいってしまったかな。当たりは良かった」とし、結果には繋がらなかったものの納得出来る内容だったことを口にした。
吉田が打席に入ると、相手の内野手は基本的に三塁手が三遊間へ、遊撃手は二塁ベースに寄り、二塁手は一、二塁間へ、そして中堅手は左中間を詰めることが定番となってきている。いわば「吉田シフト」とも称せる相手の守備体系について吉田は「データが出ているので」と述べるも、そのシフトを意識して「狙うっていう感じではない」。むしろ「今日に関してはしっかり、ミートという点では(バットの)芯で捉えられたと思う」と強調した。
ルーキーイヤーから早くも警戒される存在になっているが、吉田に動じる様子は微塵も感じられない。