【柔道GS】阿部詩が笑顔の復活V!五輪後初実戦でパリ“青道着の悪夢”振り払うオール一本 小さくガッツ

[ 2025年2月14日 23:23 ]

柔道グランドスラム・バクー大会第1日 ( 2025年2月14日    アゼルバイジャン・バクー )

阿部詩
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 柔道グランドスラム(GS)バクー大会が開幕し、男女計5階級が行われた。女子52キロ級は、阿部詩(24=パーク24)が出場。五輪後初の実戦となる大会は、初戦から2戦連続一本勝ちで進出した決勝でマーシャ・バルハウス(ドイツ)に勝利し3戦オール一本勝ちで優勝を決めた。なお、今大会第1日は出場した日本選手8人全員が決勝に進出。詩より前に優勝を決めた角田以外の3階級決勝は日本人対決のため、初日に日本選手が出場した全階級での優勝が確定した。

 パリの畳で涙で濡らした青い道着。実戦ではその日以来となる青道着を着て決勝の舞台に立った詩は、開始早々から積極的に前に出て、声を出しながら技をかけ続けた。その勢いは最後まで衰えず、残り20秒から抑え込みに入り勝負あり。優勝の瞬間、はにかみながら控えめに小さなガッツポーズを見せた。

 階級2回戦目となる準々決勝からの登場となった詩。序盤から攻めの姿勢を貫きながらも、守り重視の相手を崩し切ることができず。だが、ゴールデンスコア突入直後に、わずかな隙を見逃さず足技一閃(せん)。完璧な大外刈りで一本勝ちを収め、準決勝進出を決めた。準決勝も開始早々、右足を相手の左足に外側から掛ける「小外掛け」で勝負あり。わずか9秒で圧巻の一本勝ちを決めた。

 連覇を狙った昨年のパリ五輪ではまさかの2回戦敗退。「五輪後はまた一から柔道と向き合うことが難しくて、また世界一になりたいという気持ちもなかなか湧かなかった」とモチベーションが上がらなかったという。2カ月間休養して昨年10月からトレーニングと基礎練習を再開。「畳の上に立った時に“あ、ここが私の居場所だな”と自分の体で感じた。やっぱり私にはこれしかないと思った」と奪冠への思いが芽生えた。

 パリ五輪以来約7カ月ぶりの復帰戦。大会前には「また一から世界選手権切符を獲りに行く。また世界一になりたいという思いなので、挑戦者としてまた一からスタートしたい」と意気込んでいた。2028年ロス五輪の金メダルを目指し再出発の一歩を踏み出した。

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