生成AIを使って作成したわいせつな画像を販売したとして20~50代の男女4人が15日までに警視庁にわいせつ図画頒布の疑いで逮捕された。生成AIで作ったわいせつ物販売の摘発は全国初。1年間で約1000万円を売り上げた容疑者もいたというから驚きだ。

 男女4人はそれぞれが生成AIで作成した女性のわいせつ画像をネットオークションで不特定多数に販売した疑い。生成AIについて、容疑者らは「手軽にもうけるためだった」と話しているという。

 生成AIのソフトは無料で入手できるもので、ポーズなどを指示することで現実には存在しない女性のわいせつ画像を作成。ポスター状にして「AI美女」として売り出していた。出品時には修正が施されていたが、発送された画像は無修正だった。

 生成AIに詳しいジャーナリストは「『AI美女』というのはよくあるジャンルで、『AI美女で稼ぐ方法教えます』という情報がネットにはたくさんあり、副業として始める人が多いのです」と解説。ネットオークションだけでなくフリマアプリでも「AI美女」と検索すれば商品があふれている。かなりきわどいポージングのものも出品され、売れている。商品説明には「局部にモザイク加工を施して発送」「モデルはすべて18歳以上の成人」との記述があり、法律を意識しているようだ。

 容疑者らは1人をのぞいてITの素人だったという。「生成AIには難しそうなイメージがあるようで、自分で作らず人が作ったものを買う人もいます。自分の理想のタイプをAI美女の中に見いだしているのです」(同)

 警視庁はサイバーパトロールで今回の事件を発見した。「AI美女は増え続けており、さすがに警察も放っておけないと判断したのでしょう。見せしめかもしれません」(同)

 ネットでは生成AIで作られたわいせつ画像や動画を指すディープフェイクポルノが問題視されている。実在の人間が悪用されるケースもある。「着衣姿の写真を裸にする生成AIソフトもあり注意が必要です」(同)。規制の議論が加速しそうだ。