“名手”市原弘大の即効レッスン ㉕スタート前のパット練習

[ 2025年3月28日 12:00 ]

真っ直ぐな上りのラインを見つけ、5メートルの距離を打つ
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 当連載もいよいよ最終回。皆さんのスコアアップに役立ちましたでしょうか。最後のテーマはスタート前に行うパッティングの練習方法です。市原弘大プロによれば、だらだらと長く行うのではなく、グリーンのチェックを含め、必要最低限の練習をするべきだと言います。ポイントは距離感の確認と曲がるラインへの対応。パッティングはスコアに直結するだけにぜひ参考にしましょう。

 スタート前のパッティング練習では、グリーンのスピードに応じた距離感をつかみたいところです。なぜなら、コースによってグリーンのスピードは異なりますし、同じコースでも季節によって速さが変わるからです。

 距離感をつかむための練習法を紹介しましょう。まずボールを3個用意してください。次に、練習グリーンの中に真っすぐな上りのラインを探します。この場合、カップやスタンドピンを狙うラインである必要はありません。

 上りの真っ直ぐなラインを見つけたら、パターのヘッドカバーなどの目標物をライン上に置きます。そこから5メートル離れたところにボールをセットして、3球続けてストロークしましょう。距離感が合うようになったら、目標物の反対側へ回り、今度は真っ直ぐな下りのライン上で目標から5メートル離れたところから3球続けて打ちます。

 5メートルを終えたら、10メートルの上りと下りのラインを打ち、最後に15メートルの上りと下りのラインを打ちます。この練習の目的はカップインではなく、あくまでも距離感を身につけることです。たとえ目標にボールが当たらなくても、30センチほどオーバーするタッチで打てればOKです。スタート時間との兼ね合いもありますが、距離感が合うまで続けましょう。

 真っすぐなラインで距離感をつかんだら、曲がるラインでの距離感もつかみます。基本的にスライスラインを打つ場合、ラインは1つではありません。タッチの強さによってラインは変わります。タッチが強ければラインを浅めに読み、ジャストタッチならばラインを深めに読みます。

 私の場合、ジャストタッチでストロークするのでラインは深めに読みます。その方が、カップの入り口を広く使えるからです。多少、タッチが弱かったり、強かったりしても、カップインの可能性は十分あります。反対に、ラインを浅めに読んで強めにストロークすると、カップの入り口は狭くなります。

 曲がるラインを打つときは、必ずここから曲がり始めるという頂点を探しましょう。その頂点に向かってストロークしますが、距離感はカップの少し先に打つイメージです。頂点までの距離感で打つと、カップに届かないので注意しましょう。

 曲がるラインを探す場合、極端に曲がるラインやスネークラインのような複雑なラインは避けましょう。シンプルなラインで練習したほうがイメージしやすく、それに合わせた距離感を身につける練習になります。

 ちなみに、本番のラウンドではグリーン上で最も高いポジションと最も低いポジションを探しましょう。それさえ把握しておけば、上りなのか下りなのか、ボールが右に曲がるのか、左に曲がるのか読みやすくなるからです。

(取材協力=千葉・カレドニアンゴルフクラブ)

◇市原 弘大(いちはら・こうだい)1982年(昭57)5月29日生まれ、東京都出身の42歳。3歳からゴルフを始め、埼玉平成高時代には日本ジュニア優勝。01年にプロ転向し18年ツアー選手権森ビル杯でツアー初優勝。同年ダンロップ・フェニックスで2勝目を挙げている。1メートル71、78キロ。

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