元タレント・中居正広氏の女性トラブルに端を発する一連の問題に関して、フジと親会社のフジ・メディア・ホールディングスが設置した第三者委員会が3月31日、調査報告書を公表し、「『業務の延長線上』における性暴力であった」と認定した。中居氏と幹部社員B氏の生々しいメールのやり取りも発覚。経営陣のリスク管理には「経営判断の体をなしていない」とまで指摘され、局内に激震が走っている。
第三者委員会は31日、約400ページにおよぶ報告書を公表。これを受けて第三者委、その後にフジの清水賢治社長が会見を行った。
2023年6月2日に中居氏所有のマンションで発生した中居氏と女性Aさんとのトラブルについて、中居氏による「性暴力」と認定。被害者Aさんについて、昨年8月に退社したフジテレビのアナウンサーであることが明かされ、性暴力は「業務の延長線上だった」ことも認定した。
報告書によると、中居氏はB氏らが参加すると思わせ、Aさんを誘っていた。当日にB氏の関与はなかったとした一方、トラブル発覚後もB氏は中居氏に代わってAさんの入院先に見舞金の名目で現金100万円を届けたり、弁護士を紹介するなど、中居氏サイドに立った態度を取り続けた。AさんのB氏らフジに対する不信感は強まり「(フジが)大物タレントを守り、入社数年目の社員、アナウンサーを切り捨てる」と受け止めたことを「当然」と断じた。
中居氏とB氏の生々しいメールのやりとりも明らかに。特に局員の間で衝撃が走ったのは、昨年9月にB氏がAさんが退職したことを伝えたところ、中居氏は「了解、ありがとう。ひと段落ついた感じかな。色々たすかったよ。」と返信があり、B氏は「例の問題に関しては、ひと段落かなと思います。引き続き、何かお役に立てることがあれば、動きます!」と返していた。両者の深い関係がうかがい知れる。
また、フジはトラブル把握後も1年半にわたって中居氏出演の番組放送を継続。当時社長だった港浩一氏ら経営陣は適切な対応をとらず、第三者委はリスク管理に「経営判断の体をなしていない」と厳しく指摘した。
清水社長は会見で「何よりも会社としての救済が十分ではなかった結果、被害女性に対して大変つらい思いをさせてしまったことについて、心よりおわび申し上げます」と謝罪。対面で謝罪を伝えたい意向も明かした。
「もし第三者委員会が設置されていなければ、本当にどうなっていたのか…。衝撃的な報告書の内容に、社員一人ひとりが改革する覚悟を持たなければいけないと悟ったのではないか」(フジ局員)
問題が発覚してから、フジ改革の旗手のような立ち位置だったのが報道局だ。「報道局は第三者委員会の報告で終わりとは思っておらず、検証番組を制作し、Aさんにもコンタクトを取って、同じ仲間だった身として謝罪したい思いを持っていた。『死ぬ気で改革しなければ、フジは終わる』と危機感を抱いている」(同)
その一方、思わぬことが注目される事態にもなっている。報告書ではB氏が関わった「重要な類似事案」も明示。1件目は2021年に外資系ホテルで行われた「スイートルームの会」。B氏は中居氏とタレントU氏、女性社員2人の4人をスイートルームに意図的に残して立ち去り、中居氏は2人きりになった際に女性社員の膝や肩に触れるなどのセクハラ行為をした。
また、2件目は10年以上前。B氏は女性社員に「有力な番組出演者と会食をしてほしい」と依頼し、番組出演者との会食に呼び出した。途中で女性社員は出演者と2人きりにさせられ、その出演者は突如、ズボンと下着を脱ぎ、下半身を露出したという。
1件目のタレントU氏、2件目の有力な番組出演者ともに第三者委のヒアリングに応じなかったという。「ネット上では〝U氏〟〝有力な番組出演者〟が誰なのか予想合戦が過熱している。第三者委員会の報告を受け、フジは改革を本格化させなければいけない中で、類似案件に変な注目が集まってしまっている。今後、特定する情報が流出しないとも限らず、今後の改革に水を差すことにならなければいいが」(別のフジ関係者)
清水社長は今後の対策として「再生・改革プロジェクト本部」の設置を発表。また、人権・コンプライアンス研修に取り組んでいくなどの再発防止策を発表したが、フジは生まれ変われるか。