香港変質が招くパナマ「一帯一路」離脱 米中波高し
編集委員 中沢克二
米大統領のトランプが突如、言い出したパナマ運河をパナマから取り戻すという無理筋にみえた要求。それが思いもよらない結果を生みつつある。問題の核心は、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の急速な拡大であり、そこには香港の「高度の自治」「一国二制度」が有名無実化した激動まで関係していた。
パナマ大統領、ムリノは2日、中国と2017年に交わした一帯一路に関する協力覚書について、期限を迎えたなら「更新しない」...

経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(元中国総局長)が深掘りする。