バブル崩壊後の日本に似る中国、国有銀に静かな資本注入
編集委員 中沢克二
なんとも締まりのない終わり方になった。11日閉幕した中国の全国人民代表大会(全人代)では、アジア金融危機以来となる中国国有銀行に対する巨額の公的資本注入が静かに決まった。1990年代の日本のバブル崩壊後を思わせる厳しさである。
とはいえ目下、「トランプ劇場」に翻弄されている世界は、中国の見えにくい大きな地殻変動に気がついていない。締まりのなさ、静けさの理由は、中国首相の李強(リー・チャン)が自ら...

経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(元中国総局長)が深掘りする。