首相、大阪万博で先端技術「トップセールス」 AIや水素
石破茂首相は5日、大阪・関西万博の会場を訪れ予行演習を視察した。日本の企業や団体が共同出展する「未来の都市」のパビリオンを見学した。人工知能(AI)や水素といった先端技術を使った新たな生活様式を紹介する展示を見た。万博を通じ日本の技術を海外にトップセールスする。

首相が重要政策に掲げる地方創生にもつなげる。日本は少子高齢化で労働力人口の減少が進む。AIなどを使って地方での暮らしを便利にする商品やサービスの開発を企業に促す。万博をテコに国内外での技術の採用を促進する。
万博は13日から始まる。およそ160カ国・地域が参加する。首相は12日に開かれる開会式にも出席を予定する。

首相は視察後、記者団に「未来のわくわく感やドキドキ感がいっぱい詰まった会場だ。新しい日本の姿を世界に発信する万博に必ずなる」と強調した。視察に大阪府の吉村洋文知事も同行した。
首相は日本の技術や商品の販路拡大という問題意識を持つ。AIなど先端技術の研究開発で米欧に後れをとる状況を打開するため、人手不足などの課題に対処する日本らしい技術の使い方を提案する。海外への展開を目指す。

首相が視察した「未来の都市」のパビリオンには二酸化炭素(CO2)を吸収する次世代のコンクリート、AIを搭載し自動運転で農作業や土木作業をこなす「万能機械」などの展示がある。
万博会場内ではiPS細胞からつくった「iPS心臓」や、細胞をシート状に加工した「心筋シート」なども公開する。
エネルギー分野で振動力発電などが体感できる施設も設置する。先端技術などを研究・開発する地方のスタートアップの振興にも結びつける。
首相は1日の記者会見で、地方創生に向けて10年間でAIや半導体分野に50兆円を超える官民投資を引き出すと表明した。「日本が新しい時代に世界最先端を走るための国際競争に挑んでいく」と述べた。
日本は国内市場が縮小傾向にある。海外に販路を確保しなければ競争力を維持できない。日本と貿易量が多い中国、米国の双方との関係に難しさを抱える。
トランプ米政権が打ち出した関税政策は対米貿易に影響する。経済産業省や外務省は日本製品の販路の多様化を重視しており、万博は好機になる。
こうしたトップセールスは世界の潮流だ。3月に国賓来日したブラジルのルラ大統領は同国の企業関係者を同行させ、経済フォーラムに自ら参加した。脱炭素技術や農産品を宣伝した。
フランスのマクロン大統領は戦闘機などの防衛装備品を海外に率先して売り込んでいる。輸出を強化して需要をつくり、企業が生産増強に取り組める体制を整える狙いがある。
中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席も日本を含む海外の大手企業を招いて外資の誘致に関するトップセールスにいそしむ。
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2025年国際博覧会(大阪・関西万博)は2025年4月13日から10月13日まで大阪市此花区の夢洲(ゆめしま)で開催されます。公式キャラクターは「ミャクミャク」。パビリオンの解説やアクセス方法のほか、イベントや参加国・地元の動きなど最新ニュースを豊富な写真や動画でお伝えします。